どれくらいの金額の借金が精神的に追い詰められるのだろうか

ピークは3万人以上だった我が国の年間自殺者数は減少傾向にある。

 

www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/jisatsu/16/dl/1-01.pdf

 

警察庁

https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/H27/H27_jisatunojoukyou_01.pdf

 

 

原因・動機が明らかなもののうち、その原因・動機が「健康問題」が最も多く、次いで「経済・生活問題」となり、それは借金問題とも密接に関係していることを意味する。

 

事の真意は不明だが、リーマンショック直後に電車に飛び込む人が増え、その多くの人間が多額の損失を抱えた個人投資家やトレーダーだったという話もある。

人間は借金に弱い。

 

一方で、どのくらいの借金を抱えると、人間というのは死を選択するくらいの重圧を感じるのだろうか。

 

僕の周りでも、借金が理由で自殺した人間が二人ほどいる。

一人は20代の若さで自ら命を落としたが、借金は大体300万円くらいだったと聞く。
もう一人は40代で亡くなったが、その方はどれくらいの金額か不明、だが多額の借金ではないことは確か。

 

周りの材料が少ないことと正確な統計が無いのでなかなか難しいところがあるものの、その他の事例、たとえば、テレビなどで報道される「多額の借金を背負ったあの人はいま」といった内容から読み解いていくと、数億以上の規模の借金だろうと元気に生きている人もいる。

 

例えば以下のような人たち。

 

 

ツカサのウィクリーマンション創業者、830億円の負債

www.news-postseven.com

 

ワーキューブ安田社長、負債総額40億円

president.jp

 

磯貝氏、所得税1億6000万円のほか、重加算税6000万円、罰金3500万円

president.jp

 

 

上述の三人は今も元気に生きているし、まだ社長をやったり何かしらの取材を受けたり精力的に活動している。

 

あまりに借金が大きいとその瞬間は返せるわけがないので、自分のことではないと思ってしまったり、開き直ってしまったりするのだろうか?

 

当事者にしか分からない心情だが、どんなに辛くも命を自ら断たなかったことは事実。

とはいえ、確かめようはないもののリーマンショック直後に自殺したトレーダーの存在が事実であれば、その金額は途方もないもののはずだし、昨年のイギリスのEU離脱問題でも、大きな損失を抱えてしまったトレーダーも間違いなくいるわけで。


どれくらいの金額が最も重圧がかかり、自ら命を断つ結末をもたらすのか、結論は分からない。

 

死人に口なしなので当事者に聞くことも出来ないし。

個人的には、あまりに多額の借金、数億円といった規模のものだと、容易には命を断たないと思っていたが、職業としてのトレーダーはそれくらいの金額は容易に動かすはずで、そうすると必ずしもこれに当てはまらないだろう。

 

自殺率と自殺要因の統計を出すのと、出来れば借金問題で命を断った人の金額まで調べてほしい。

 

もちろん人によって異なるだろうが、どのくらいの金額がデッドラインとなるのか、を統計にし、それを借金する人間が自身で把握できれば、もう少し結末は違ったものになるのかもしれない。