大企業で年収600万よりも自営で400万の方が良い

大手IT企業に転職した友人と話した時に、収入についてそのような話題になった。

 

彼は典型的なジョブホッパーで、自らが望むスキルを取得するためのキャリア構築と就業機会への独自の嗅覚、そして抜群の集中力で見事なまでの転職を遂げた。

年収は30代前半で600万を超える。

だがストレスも半端ではないようで、「正直な話、大企業で年収600万よりも自営で400万の方が良いよ」と漏らした。
独立する勇気も能力も無いから勤めをやるしかないが、とも語ったが。

 

客観的にみて、彼より能力の劣る僕としては、他にどんな道が残されているのだろう。

先日、夜勤疲れのもうろうとした意識で夜食を買うためにコンビニ立ち寄ったところ、ある本が目に入った。


「できる男は金を呼ぶ!」

 

典型的な自己啓発本で、この手の本は疲れた精神に染みる、笑うセールスマンのように心の隙間にするっと入ってくる。

 

パラパラとめくると、基本的には独立や会社に雇われない働き方を推奨するもの。

シャープ買収で一躍有名になった、鴻海精密のカクタイメイ氏(テリーゴウ)や松下幸之助氏、COCO壱創業者の宗次氏を引き合いに出す。

 

トンデモ本に少し思えたものの、著者自身は高学歴で通常の勤めのキャリアを捨てて30代半ばで独立したようだ。
同世代の同僚は定年やリストラ、将来への不安を抱くも、自身は定年が無く自ら仕事を作り出し切り拓いてきたので、そのような心配は無用だ、と概ね強気な内容。

 

だから君も独立しよう、と僕は言いたい訳ではないが、著者の話も一理ある。

 

人間というのは強いようで以外に結構もろいところもあり、ちょっとした綻びが人生を大きく揺るがすことになる。

 

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この手のサラリーマン転落は今や珍しいものではなくなったが、問題は、そこから自身で、どのような働き方を構築するか、だ。

 

僕自身、どれだけ数字で結果を出し、自己研鑽に励んでも給与が壱円も上がらず昇格も無く、先に入った者の方が給与が高い現状を見ていると、何のために人より働いているのか分からなくなる瞬間がある。

 

とはいえ、上述の友人と同じで、今は特段の能力も無く、やはり何かしら事を起こす勇気も今は無い。

出来ないことを出来るふりをしたり、無理にやっても仕方がないので、出来ることをひたすらこなしているだけ、というのが現状。

その延長線上に新しい展開があればいいものだが、なかなか閉塞感を打開出来ずにやきもきする気持ちばかりが募る。


上記のサラリーマンは、奥さんがたまたまライターの職にあり、その流れの中で自身も収入の道を作り、そして今や自営である程度の水準まで稼ぐようになったが、彼と僕との違いは何なんだろうか。

 

いずれにしろ、友人と話したあの話題が最近は頭をよぎる。

 

ある程度の企業に勤めていても年収が上がる保証は殆どないが、最初はきつくとも、自身でゼロからスタートすればその稼ぎは青天井だ。