人のせいにするな -アウトレイジ最終章-

アウトレイジ最終章を観てきた。

 

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映画界含め、どの分野でも既得権益でガッチリ固められていて、新参者には厳しい。

 

 

・努力を努力ではなく当たり前のことをやる

 

・30代や40代は勝ち負けの差が出てくる

 

・人のせいにするな

 

 

たけし節がいつものように炸裂し、上記の記事はいつものような映画の宣伝というところ。

 

 

とはいえ、アウトレイジは第一作目から鑑賞していて、やはり単純に面白いし、こうしたアウトサイダーの世界は男の憧れでもあるから、どうしても観てしまう。

 

 

「ヤクザの世界といっても、拳銃と暴力を除いてしまえば一般実社会の話になるんだよね。

(中略)

しょせんヤクザも一般実社会と同じなんだってね」

 

 

この視点は、ビートたけし監督に言われるまで気付かなかった。

 

だが、一作目と二作目を鑑賞してきた感想としては、確かに僕が属するサラリーマン世界にも共通しているところがある、むしろ全く同じ。

 

自分の意思とは無関係に事が進んだり、自身の身の振り方まで勝手に決まってしまったりと、理不尽なことは案外普通に起こる。

 

命までは取られないものの、サラリーマンとしての生命線を切られることもしばしばだ。

だが現在は、サラリーマンでも副業が比較的認められる傾向にあるようなので、目を付けられない程度に、かつ目立たぬようにして、図太く生き残ることは出来る。

 

サラリーマンの世界で過ごしていると、自分の価値観とは相いれないものをごり押ししてくる会社や上司との葛藤に悩まされるのは付き物だが、よく皆我慢しているなーといつも思う。

 

 

 

数ヵ月前に本社から専務が拠点訪問で訪れたとき、僕を含む社員を前にして、その専務は自らのことや息子の話を面白おかしく話してくれた。

 

恐らく緊張を解くためだ。

 

 

「大学卒業して就職したばかりの息子が、 "もう会社行きたくない" 言いよんねん。そんなん俺かていきたないわ」

 

 

そう頭をかきながら初老の役員は話していて、皆は笑っていたが、僕はちっとも笑えなかった。

 

雇われとはいえ、役員が出社したくないような会社で、くそつまらない仕事をこなしている僕を含めた多くの人間はなんと哀しいことか。

 

それは、やくざ世界で言えば僕は鉄砲玉であり、これまではたまたま生き残ってきたはいいけれど、ここから先も生き残れるかどうかは分からない。

 

やくざの世界は分からないが、サラリーマンで幹部や役員クラスへ道が開かれる可能性は、本当にごくわずかだ。

優秀さだけでは足りない。

 

そこへいくと、アウトレイジのシーンでもあるようにやくざは銃を使って時には下剋上だって起り得る。

サラリーマンが上司に刃を向けると終わりだ。

 

 

話が飛躍したが、やくざ映画ではあるものの、自身が日頃生活しているサラリーマン社会の縮図、いや、日本の縮図だと思ってこの映画を観れば、また違った視点で楽しめる。

 

アウトレイジ最終章は面白かった。