金持ちになりたい、人向けのアドバイスはそこここに溢れている

例えばこちら

 

president.jp

 

プレジデントの記事で、書いたのは「ユダヤ人大富豪の教え」で金持ちになったであろう本田健氏で、実にうまい。

お客さんを捕まえるマーケティング戦略には目を見張るものがある、ガゼルの捕らえ方を知っているのだろう。


氏の記したもの以外でも似たような記事は他にも色々とあるが、

 

 

headlines.yahoo.co.jp

 

考えてみれば実際に金持ちの人が書いた指南本は個人的には見かけたことがない。

 

あるとしても大抵は、ある自己啓発本を書いた人が「自分が金持ちになるために」書いたものばかりで、疲れている時やサラリーマン生活が長いと、その手の本は心に染み入るというか、気持ちいい夢をみさせてくれるのでついつい手に取ってしまう、僕についても幾ら使ったのか分からない。
多少の依存性もあるのだろう。

だが最近、本物の金持ちが書いた指南本というべきものを発見し、それを読了したのだが。

 

いわゆる、自己啓発本の中によく登場するフレーズ

 

「がんばらなくていい」

「努力なんかしなくても金持ちになれるんです」

「ありのーままのー自分」

 

といった、至宝の、心地良い言葉は登場しない。


ふつうの人が金持ちになろうとすれば、必要な資金にいたる細くて長い道をひとりで歩かねばならない


代わりに↑こういう言葉が登場する。


この本の富豪とされる著者は、

 

全てを捨てて決断をする覚悟がある者だけが金を手にする事も出来るのだ

 

とも言い切る。

  

巻末には富豪である著者が幸せなのかどうかという点について、「たまに幸せである」という見解が記されている。

 

いまは大金持ちである。
さて、私は幸せなのだろうか。
いいや、幸せじゃない。
少なくとも、たまにしか幸せではない。
たとえば、森の中をひとりで歩いているときとか、趣味である詩の文言を上手に組み立てられたときとか
あるいはまた、ワインを挟んで古い友人と静かに向き合っているときは幸せを感じる。
野良猫に餌をやるときも、かな。
でも、こういうことは金持ちでなくても出来る。

 

この上記の記述だけ読んでいると、ネット上で有名なメキシコの漁師の話と重なるところがあり、あの話は真理をついているのだろうかと思わざるを得ない。

 

hungoveray.hatenablog.com

 

いずれにしろ、僕の家の本棚に所狭しと並ぶ自己啓発本や巷で溢れるその手の本は殆どが著者が金持ちになるために書いたものばかりでゴミのような内容ばかりだということがやっとわかった。
(元気や気力が無い時などのモチベーション維持の役割くらいにはなる)

 

こうしてみると、頑張らなくても金は使えば入ってくるだの、良く分からないことにお金を遣えだの、お金のブロックチェーンが外れていないなど、様々な言葉で財布のひもを緩めようとする人たちは我々を決して金持ちにはしてくれず、自身がどんどん富み栄えるためにそのスタンスを取っているのであり、商売っ気たっぷりのその姿勢は、ある意味では優秀なセールスマンであり、ビジネスマンともいえる。

 

上記でも記した、心地良い言葉、

 

「がんばらなくていい」

「努力なんかしなくても金持ちになれるんです」

「ありのーままのー自分」

 

これらはみな、一種のセールストークであり、 "自己啓発" という見えない商品を売りつけるための殺し文句だ。

ある種のセールスマンの、「限定品で数も少なくなっております」といった類の言葉となんら変わりない。

 

僕は今はそんなに金は無いのでせいぜい、数百円から2000円程度の本を買うくらい(とはいえ気付くのが遅くて勿体ないことをした)だが、なけなしの貯金の大半をはたいて自己啓発に没頭する連中は少なくとも金持ちになるのは難しいかもしれない。

 

そのお金で事業を興した方がわずかながらでも金持ちになる可能性があるのだが、自己啓発本を書く輩に自身のお金を差し出し続けてしまう。