韓非子と鴻海精密工業カクタイメイ氏(郭台銘)によるシャープ買収
鴻海精密工業によるシャープ買収が完了し一年。
あの、買収合戦にともなう株価乱高下と、鴻海精密工業からの出資がなかなか出なかった際のシャープの株価下落はもはやとうの昔の話。
考えてみればシャープと鴻海精密工業の関係は昨年からではなくて、それ以上前からの繋がりがある。
2009年にシャープが稼働を開始させた堺ディスプレイプロダクトの運営が、本体シャープの大幅赤字の影響で経営がうまくいかなかったところを、鴻海精密工業のテリーゴウ氏が資本参加し、赤字を見事脱却させることに成功している。
この、鴻海精密工業のカクタイメイ氏の、資本参加から買収へのやり方。
最近読んだ韓非子を紐解く書籍にそのまま記載されていた。
韓非子には、「周書にいわく」として、「取りたいなら必ずしばらく与えてやれ」という助言があります。
まず相手を油断させて隙を突けということで、華僑もよく使う手です。
ただし華僑の目的は相手を滅ぼすことではなく、傘下に収めることです。
ライバルが困っていると聞けば、情報や人材、資金や資材などを提供して助けてやる。
まず与えておいて助けが必要な状態にしてからライバルを取り込む。
-華僑の大富豪が教えてくれた「中国古典」勝者のずるい戦略 大城太-
今回のシャープの鴻海精密工業による買収のやり方とそのまま同じ。
となると、買収話が持ち上がる随分と前から、もしかするとシャープが液晶で隆盛を極めていた時期もすでに、鴻海精密工業のカクタイメイ氏は、虎視眈々とその機会をうかがっていたのかもしれない。
だとすれば相当な切れ者だ。
華僑とは
中国を離れて他国で長期的にビジネスをする人