ミャンマーに初めて渡航してからやがて一年になる

ロヒンギャ問題で揺れるミャンマーだが。


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今は雨季の真っ最中のミャンマーは、来月の10月下旬くらいから少しずつ雨が上がり、年間のなかで最も過ごしやすく、観光には最適な時期に入ってくる。


僕は昨年の10月に初めてミャンマーを訪れ、アジア最後のフロンティアと呼ばれる同国の素晴らしさに魅了された。
このblogもミャンマーから帰国して開始したのだが、時の流れは早くもう一年になろうとしている。


ヤンゴンは同国で最も栄えた都市だが、一歩道を入ると未だに舗装されていない道路も多く、高層ビルと古い家屋が混在する。
経済成長著しい国であることは間違いない。


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僕が渡航する昨年には、少数民族によるちょっとした武力衝突があったものの、外務省からの渡航注意の達しは出ていなかったし、今もロヒンギャ問題が渡航に影響している訳ではなさそうだ。(一部地域除く)


ミャンマー連邦共和国 | 外務省


www.anzen.mofa.go.jp


ミャンマーに行く前の予備知識のために、高野秀行氏の著書を読んでいて、その著書にもミャンマー人は驚く程に政治的な話でタブーがないと記されていたが、僕が乗車したタクシーの運転手も普通に軍政権だった時の幹部を批判していた。


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アウンサンスーチーのことについても質問したが、彼女はやはり英雄視されている側面がある。


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《NLD(国民民主連盟)本部の様子》


ミャンマーという国には今、世界中からお金が濁流のごとく押し寄せていて、建設ラッシュは相当なものだし、日本から民間企業も数多く参入していて、その流れは通常のビジネスのみならず、キャバクラといった風俗業界まで波及するほど。


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年々、観光地における料金も値上がりしているし、風俗の料金にしても確実に上昇している。



見所はたくさんあるが、僕は熱さと雨にやられてしまい、そこまで多くの観光スポットを訪問することは出来なかった。
パガンやマンダレー等も素晴らしいものがあり、まだまだミャンマーという国を掴みきれてはいない。


現地の人々にしてもロンジーばかりではなく、世界中の若者のようにデニムや半パンも着用するし、僕と同年代の政治犯として投獄された男性はミャンマーラップを披露し、同国の発展を願う。


旧態依然とした体制からの脱却と、混沌とした中にあるミャンマー人特有の温和な雰囲気が共存する、何とも刺激的な国だ。


もう一度行きたい。


個人的には、欧米諸国よりも東南アジアが熱いと思う。

もしくは南米、特にキューバ

求人誌のページも分厚くなり、労働環境は間違いなく良くはなっている

事業年度開始や四半期ごとの区切りもあって、4月と10月は異動の月とも目されているようだ。
僕の会社も同様で、来月10月は異動の月とあって、上司やその周りの人間も誰がどの部署に異動や昇進、といった話でにわかに騒がしくなる。

 

サラリーマンにとって人事というのはその後のキャリアを左右する重要な局面であり、尚且つ、これまでの仕事に対しての集大成のような意味合いがあるような気がする。

 

自分の生殺与奪権が他の人間に握られていることを実感する月でもあるのだが、考えてみれば、労働環境はここ10数年でかなり良くなっていると実感する。


転職限界説みたいな年齢も、かつては30歳までが常識だったがいつしか35歳となり、その35歳説にしても業界と職種等によっては年齢層を設けないところも見られる。

 

僕が25歳の時は、それまでに転職を複数回繰り返している人間にはもう企業は振り向いてくれない、どこも採用してくれないといった風潮があったが、やがて第二新卒という言葉も生まれていつの間にか定着している。

 

"就職氷河期" の言葉も今は殆ど聞かれなくなったが、どんなに学力があってもどこにも入社できなかった世代も今はもう昔の事であり、加えて派遣や非正規労働者の問題にも変化がみられる、人手不足が主な要因だ。

 

news.tv-asahi.co.jp

 

何よりも驚いたのは、ブラック企業が注目が集まったお蔭で各企業もその対応に腰を上げることになり、その多くの企業が存在する外食企業でも人手不足を背景にかなりの改善がみられること。

 

zuuonline.com

 

キャリアの開始はブラック企業の外食チェーンだったので、そのしんどさは身に染みて分かっている。

1日実に12~14時間以上の労働を常とし、長時間が当たり前となっていた業界だが、それもどんどん変わってきている。

 

"一度外食に行ったら二度と他業界にはいけない"

 

といった暗黙の了解というか定説もささやかれていたが、それも完全に無くなった。

 

正直なところ、あまり労働環境の良さを実感できないでいたのだが、久しぶりに求人誌を手に取って読んでみると、そのかなりの分厚さに気付く。
どうやら求人広告会社も掲載出来るギリギリくらいのページで発行してるようで、そういったことはこれまで殆ど無かったくらい求人数は増加している。

給与に関しては、ピンキリで、「正社員募集 12万円~」というふざけた内容のモノもあるが、20万円前後のものもあり低賃金の問題についても少しは改善が見られた。

 

toyokeizai.net


↑↑↑ が注目されたが、今は売り手市場であることは間違いなので、自分に合わないと思ったら会社は辞めてしまった方が良い。


これまではどんなに辛くてもきつくても、 "辞めてはいけない" というのが常識だったが、常識に従っても雇用が守られる訳ではなく、企業には生活の保証は出来ないことを考えれば、もっと自分本位で働き方と会社を探してもいいはずだ。


僕自身振り返ってみれば、昨年は不動産会社に転職すべく複数の企業の採用試験に応募し、10社以上断られてしまったが、今年は6社くらいに応募して、半分は内々定くらいにまでこぎつけた、人手不足は本当なのだろう。

 

これが優秀な人材であれば引く手あまたなわけで、長く苦しい労働環境の厳しさを耐え抜いてきてこそ、今のこのタイミングが到来している。

知識の無い周りの主婦が手を出しはじめたら、それはバブルなのかもしれない

JPモルガンのCEOの詐欺発言が波紋を広げている。

 

www.bloomberg.co.jp

 

blogos.com

 

最古のバブルと言われる17世紀オランダの「チューリップ球根より悪い」と指摘した。

 

 

と、JPモルガンのCEOは発言したとされるが、それはいわゆる、 "チューリップバブル" のこと。

 

オリバー・ストーン監督の映画、ウォールストリートでもその内容は引用されており、バブルを語る際には知らない人間は少ないくらいのもの。

 

movies.yahoo.co.jp

 

 

チューリップバブルを要約して記すと、十七世紀初頭のアムステルダムで、チューリップの球根が投機の対象となり、1つの球根が新しい馬車一台、馬二頭、馬具一式の価値を持つほどに。
ついには現在の貨幣価値に換算して2万5,000ドルから5万ドルの値を付けるに至るのだが、賢明な一定の人間が売り始め、それをきっかけに価格が下落しバブルが弾けた。

その当時もやはり大勢の人間が損失を出したようだ。

 

 

ビットコインについての知識は全然ないが、元々はグーグルのエンジニアだった人間が2008年にそのサービスを開始したようで、今では知らない人間もいないほどになり、日本でもマウントゴックス社の騒動が有名だ。

 

僕が初めてビットコインの名を耳にしたのは4~5年くらい前で、抱えている顧客が「海外の金融機関で投資をしている」と話していたときのこと。


投資対象が何であるかを聞いた際に、「ビットコイン」だと教えてくれたが、何百万円というお金を毎月のようにやりとりしていた。


恐らく、そのくらいの時期がかなり儲かったはず。

この手の金融商品はスタートしてしばらくし、注目を集め初めてお金が集まりだしたときに最も旨味があり、今のように誰もが知っている状況では利益を出すのは至難だ。


実際に、職場の主婦が何の知識もないのに数ヶ月前に初めて投資を開始して、分裂騒ぎがあった時の急落で大損していた。


「買ったときの半分くらいに値が落ちている」


等と、主婦同士で話していたが、こうなるともう、旨味はなく、バブルの状態ならば弾けるか、弾けたのか、くらいだろう。


不動産投資も同様で、今や「サラリーマン大家になりましょう」は不動産営業マンの常套句であり、僕の周りにしてもあまり頭の回転がよろしくない友人が、嬉々として銀行の不動産投資ローンのパンフレットを持参し自慢気に語りだしていたが、こうなるともう終焉に向かっているはずだ。


チューリップバブルの時代でも、貴族、市民、農民、職人のみならず、水夫、従僕、女中、そして煙突掃除夫や古着屋のおばさんまでが手を出し、バブルは終わりを告げた。


だが、そこら中から集約された富、お金の持つ熱気には誰もが抗えず、結果的には突っ込んでいってしまうのだろう。


とはいえ、riskを引き受けなければreturnが得られないこともまた事実であり、このあたりのさじ加減がまた微妙で容易ではない。


僕自身、不動産投資も考えていて、土地購入の上でアパート経営も思案していたが、建築費の高騰がブレーキになり止めてしまった。


土地価格の上昇には目を見張るものがあるが、建築費については異常だ。

背景にあるのは東京オリンピックであり、早ければ来年からこの手の価格は変化を見せるであろうという見方もある。


いずれにしろ、専門家でもなんでもない僕が目の前にある事象(投資対象)に手を出すか否かの判断は、周りの主婦層に目を配っていれば間違いなさそうだ。

個人のスマホはロック解除出来ないらしい

知人が急死したとき、残された遺族と親しい間柄(知人の恋人など)の人間が、知人が保有していたiPhoneにかけられている、パスワードのロック解除を行うにあたって四苦八苦していたようだ。

 

iPhoneは何度かパスワードを間違えると、スマートフォンそのものが初期化されてしまう機能を持っているから、遺族のもとにスマートフォンが戻ってきたときには既に初期化されていて、みたことのない待ち受け画面が表示されていたようだ。

 

誰かがどうしても見たくてパスワード入力を試したのだろう、だがもう永久にそこへアクセスすることはできなくなってしまった。

 

スマートフォンにロックがかかっているために、その後の引き継ぎや連絡事項に支障をきたしてしまい、大変な思いをしている方もいる。

 

困ってます 夫が急死でスマホのロック解除 : 生活・身近な話題 : 発言小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 

亡くなったことを知人に知らせることは確かに重要ではるが、今やスマートフォンには一人の人間の人生全てが詰まっていて、非常に大きな意味を持つ。

ある特定の人間が一体どういう人生を歩んでいたのか、交友関係はどうなっていて、日ごろ何をどう考えて生きていたのか、その全てがそこにはある。

 

ロック解除の出来ないのだろうか、それを残された遺族がみることは出来ないのだろうか?

 

nikkan-spa.jp

 

Q:故人のケータイ・スマホのパスワードは解除できる?

NTTドコモ
遺族が端末を引き継ぐ「承継手続き」を取れば、フィーチャーフォンは機種次第ではデータ閲覧可能。スマホに関しては、ほぼ不可能

au
「承継手続き」をすれば、遺族が端末を引き継ぐことはできるが、ロック解除後にすべてのデータをオールリセットすることが前提となる

ソフトバンク
端末暗証番号は、端末側に物理的にかけられたパスコードなのでカスタマーセンターでは照会・解除不可。たとえ本人でも照会できない

ウィルコム
端末暗証番号は、端末側に物理的にかけられたパスコードなのでカスタマーセンターでは照会・解除不可。たとえ本人でも照会できない

 

 

上記が各キャリアの公式な見解らしい。

 

故人の葬儀を行う際に初めて見る人が同性/異性に限らず訪ねて来て、どういった関係を詮索することはないものの、実は複数の異性関係があってそれが厳かな場所で明らかになってしまうこともある。

 

実際のところどんな人生だったのかはもはや故人にしか知りえないことであり、文字通り、誰もが "墓場まで持っていく" 何かしらの秘密を抱えていることを意味する。

 

上述の僕の知人についても、遺族や親しい間柄ですら知らない世界があり、だがその詳細は最後まで掴むことは出来なかった。

 

相続の問題から終活ということばが生まれ、今ではデジタル終活なるものがある。

 

digital-shukatsu.net

 

デジタル終活 | 日刊SPA!

 

 

高度に機能が発達した現代ならでは概念だが、どれだけ技術革新が進もうとも、故人の全てを把握することは恐らくこの先も出来ないだろう。

何も考えないというのは簡単ではない

headlines.yahoo.co.jp

 

 

多くの人間が取りこし苦労に頭を悩ませ、心の中が不安でいっぱいになり、ついには精神や身体にまで悪影響を及ぼしてしまう。

 

一方で、何も考えていない人間もいる。

 

「あなたは良いよね、悩みなんかなさそうで」

 

僕は20代のころよくそう言われていたが、実際のところはそんなこと全く無くて、神経質で小さなことにいつまでもこだわる性格が嫌で仕方がなかったから、あえて、周りにはバカのように振る舞っていた。

悩みなんかない、という風に。

何も考えていない人、というのはそういう人間ではない。

 

本当に、何も考えていない人がいるのだ。

 

ニワトリのような目をして、口を開けて仕事に取組み、起承転結の無い中身の無い話をし、その内容すら何を話しているのか自分でも分かっていなくて、全く深みの無い人間だ。

 

決して馬鹿にしている訳ではなく、僕は知人に何名かそういう人がいるが、振る舞いや生活スタイルはさておき、実に幸せそうだ。

 

考えてみれば当たり前だ。

人にどう思われているのか気にしていないのではなくて気付かないし、相手の気持ちもくみ取れなかったりするので無駄な悩みが無い。

「嫌われる勇気」がベストセラーとなったが、勇気なんか持っていなくて、それを素でやっているのだ。

 

意図を読み取れないその姿勢に当初は腹も立ったりはしたが、ふと思ったのは、こういった人間が今の時代では最も強いのではないかということだ。

 

朝起きてから、夜寝るまで、我々は様々なストレス負荷をかけられる。

その影響は甚大で、精神も肉体も破壊してしまうほどの威力があり、人生までもをも変えてしまう。

 

何も考えていない人間はそんなことに思考回路を使用しないので、悩まされることも破壊されることも無い。

何も考えないということは、深みのある話や相互理解は出来ない可能性があるが、ニコニコしてさえいればコミュニケーション上では問題は生じないはずだ。

 

 

 

先日、統合失調症精神分裂病と呼ばれていた)の病と付き合いながら社会生活を送る人たちのディスカッションが行われていた。

 

ある日突然、 "鳴っているはずの無い電話音が鳴りやまない" 幻聴の症状が始まり、次第に幻覚や妄想に悩まされこれまで普通に送っていた生活を続けることが出来なくなった...

 

そんな内容が語られていて、とある作詞家の女性も、キャリアの絶頂期に突然、統合失調症を患ってしまい、遂には自殺未遂まで至ったらしい。
今は適切な診療と適度な薬を服用し、社会復帰を果たして仕事もこなし、徐々に好きな歌の仕事にも手を付けているようだが、それでも以前のような生活に戻ることは出来ず、自分にできることをちょっとずつ進めているようだ。

 

以前、統合失調症の知人が隣人トラブルで揉めていた時に仲裁をしたことがあって、彼等は薬を服用している時は一般人と殆ど変わらず、会話も普通に行う事が出来るが、薬を飲むのを忘れてしまうと、幻覚や幻聴、妄想に悩まされるため、そうなるとどうしても自分だけではなくて家族や近隣住民にも迷惑をかけてしまいがちだ。

平凡な社会生活を送ることすら困難を極める。

 


統合失調症の原因にはストレスが深く関わっているとされているが、元々が物事を深く考えてしまう質だからそういう病になってしまうわけで、治療としては薬で思考を停止させる必要もあるのだろう。(様々なケースがあるでしょうが)

 

そんな人間が、何も考えない、という行為を実行するには非常にハードルが高い。

 

実際のところ、女性作詞家にしても曲を創造する仕事という職業柄、 "深く考える" ことを強く求められ、それがキャリアに繋がっていた部分もあるだろう。

 

movies.yahoo.co.jp

 

完全なるチェックメイトという映画では、かつて世界に名をとどろかせたチェスの天才であるボビーフィッシャーが、ソ連のボリス・スパスキーと対戦し伝説となった一局を再現したシーンが描かれていた。

 

あまりに頭脳を刺激するために、ボビーフィッシャーはちょっとした物音に対しても神経質になり、「FBIに監視されている」という妄想にもとりつかれていたことから、突然試合の場所変更を申し入れ、倉庫のようなところで観客もいない形式の試合を行う。

その様子はなかなか噴飯ものだが、当の本人は大真面目であり、結果として彼は、アメリカとソ連の代理戦争と言われたこの対戦に勝利し、多くの人々に称賛され、偉大な仕事を達成することになる。

 

このことからみても何も考えないずに、"創造" 的な仕事をすることは容易ではないことが分かる。

 

とはいえ、これは極端な例えかもしれないが。

 

多くの一般人の場合は、常々思考を強いられがちな現代社会においても、 "頭を空にする" 練習と訓練を行う事によってある程度のレベルまで達することは出来るだろう。

性別変更を切望した元男性客

過去に勤めていた会社では顧客情報を厳重に取り扱っており、顧客の個人情報に変更があったときには常に情報更新を行っていた。

 

変更の殆どは氏名変更と住所変更だが、ある時、

 

「性別を変更したい」

 

という "女性" 客が訪れてきた。

 

当初は僕の聞き間違いだと思い、もう一度聞き返したが、やはり「性別を変更したい」という。

 

そのお客は声こそ少し低いものの、見た目は美しめの "女性" で、男へ性別を変更したいのだろうか?ということで、僕の思考回路はすっかり混乱してしまっていた。

 

冷静さを装いつつ一旦本人確認を行い、その客が提示したIDと説明を聞いて納得がいった。

 

彼女は、戸籍上も体の構造も元男性だったが、性転換手術を受けと話し、肉体は女性になったので、書類上でも性別をきちんと "女性" に変更したい、というものだった。

 

このようなケースは初めてだったために動揺したが、とはいえ当時の僕は、渋谷区の同性パートナーシップのニュース等を見ていて、

 

www.huffingtonpost.jp

 

多様性を許容する日本の変化を嬉しく思ってもいてことから、何とかしてこの "女性" のために性別を変更したかった。

 

気を取り直して社内のマニュアルをかき集め、コンプライアンスに問合せを出し、上司とそのまた上司、更には他の部署をも巻き込んで調べあげた。

同僚も熱心になって一緒に調べてくれて、僕と一緒に行動した会社の人間は誰もが、この画期的な出来事に熱を持って取り組んでいた。

 

だが残念ながら、会社が出した答えは「NO」だった。


本人確認書類において、 "女性" を示すものを持ち合わせていなかったのがその理由だ。

 

あまりに無念で、 "女性" 客にかける言葉にも迷ったくらいだが、そもそも、性別を変更する、ということはどういうことなのだろうか。

 


僕は知らなかったのだが、日本では10年以上前にその法律がすでにスタートしていたようだ。

 

 

www.bengo4.com

 

性同一性障害者特例法をめぐる現代的状況
http://www.law.tohoku.ac.jp/gcoe/wp-content/uploads/2009/03/gemc_01_cate4_6.pdf

 

 

 上記の記事によると、戸籍上で性別を変更するためには以下の要件が必要となり、

 

 

「性別変更の要件は、『性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律』に定められています。その要件は、次の通りです。

(1)2人以上の医師により、性同一性障害であることが診断されていること

(2)20歳以上であること

(3)現に婚姻をしていないこと

(4)現に未成年の子がいないこと

(5)生殖腺がないことまたは生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること

(6)他の性別の性器の部分に近似する外観を備えていること。

以上の6要件を満たしている場合、診断書などの必要書類を準備し、家庭裁判所に審判の申立てを行うことにより、性別変更が認められます」

 

 

その手続きが容易でないことは専門家でなくてもわかる。

 

 

 

戸籍上において性別を変更しなければ、それ以外の個人情報でも性別を変更するのはかなり難しい。


だが、上述の "女性" 客も含め、自身の性について長い間悩んできた人間は、きちんとした性別に変更することは、我々が思っているよりもずっと大きな意味を持つものであり、それは人生を賭けた、そして、自身のアイデンティティーを確立する以上の、
崇高なモノなのかもしれない。

 

パートナーシップ制度が始まってからというもの同性同士のカップルが数多く誕生し、それに伴い同性同士の結婚生活の流れの中で、 "子供を持つ" 事に関しても注目が集まり、実際に男性カップルが初めて養子を引き取る画期的な出来事もあった。

 

性を越えて、家族を作ることが出来る時代が、もう現実に到来しているのだ。


それでもやはり、性別変更を切望した "女性" 客の念願が叶わなかったように、まだまだこの分野の問題は山積みだ。

 


一つ救いだったのは、僕に断られた "女性" 客からは、強い希望を感じたこと。

 

彼女は特に悲しむでもなく、怒りを見せるでもなく、少し笑みを浮かべ、一言だけ

「分かりました」

と、堂々とした態度で去っていったのだが、全身から

「女性として生きる」

という、力強い気持ちを彼女からは感じた。

 

あれから月日は流れたが、この手のマイノリティの人たちの良いニュースを目にする度に今でも思い出す、最も印象に残る女性客だった。

 

彼女は今どうしているだろうか。

イギリスは海外からの移住者にやさしいわけではない

イギリスのEU離脱勝利から一年。

 

www.news24.jp

 

具体的な話は殆ど決まらず、交渉は難航しているという点は否めない。

 

僕はこの手の分野に詳しい訳ではないが、そもそも、イギリスへ移住することはどういうことなのだろうか。

 

これまでイギリスに留学する人間が周りにいて、そのVISA申請で四苦八苦しているのを何度か目にしている。

 

耳にした中でのVISA申請の条件としては、

 

日本の金融機関の口座を持っていることを証明すること
その金融機関に預け入れをしている金額と、過去28日間の取引記録を英字で記載したものを発行すること
また、現地で生活するには申し分ない金額を証明する意味でも、一定残高を保有している必要もあること

 

などなど、様々なケースがあった。

 

無論、滞在する期間やその他の条件によって異なるところもあるのだろうが、程度の差こそあれ簡単ではないことは読み取れる。

 

また、先日行われたサッカー日本代表対オーストラリア代表選で決定打となる2点目を決めた井手口選手。

 

news.yahoo.co.jp

 

イングランド2部の古豪・リーズが正式に井手口選手にオファーを出したことがニュースとなっているが、上記の記事でもイギリスに渡るためのハードルは、単に彼の技術等だけでなく、その報酬額なども左右されることが取り上げられている。

 

 

...ただ英国でプレーする際に必要な労働許可証取得には「移籍金1000万ポンド(約14億2000万円)以上の優秀な選手」などの厳しい審査がある。

 

 

僕はサッカーファンでイングランドプレミアリーグのあの洗練された、かつアグレッシブな最高峰のフットボールが大好きだが、その裏側では、ある程度の厳しい審査がサッカー選手にも設けられていることは知らなかった、恐らく多くの人間がそうだ。


今回の離脱は、EUに入った異国民が移動の自由の権利を行使し、それがイギリス自国民の権利を侵害するという点もあり国民は反対に票を投じた、という見方もあるが、それはEUの中にあるイギリスだからこそで、上記のVISA申請やプレミアリーグの件からしても、イギリスが移住者に対して決してやさしい国ではない側面があることは見て取れる。


日本企業がイギリスから撤退し、ドイツや欧州のその他の国へ本拠地を置く流れが続く中、最近はメイ首相が日本を公式訪問し離脱の懸念を払しょくしや貿易関係の強化と交渉が取りざたされていたが、イギリス離れが続くとこれまで執っていた方針も転換する可能性が出てくる。

 

前述のサッカー選手等の入国を厳しくし過ぎてしまうと、イギリスの落ちるはずのお金がどこか他国へ向かうからだ、日本企業がドイツに本拠地を置いたように。

 

かといって、条件を緩和すると移民と難民問題が噴出し、最悪のケースだとテロに発展してしまう。

交渉事が難航しているのは法的な部分や経済と金融での問題もあるが、あちらを立てればこちらが立たずの状況でがんじがらめになっているのだろう。

 

日本で報道されるイギリスのドキュメンタリー番組としては、疲弊した地方都市で麻薬と酒に溺れる若者と、同国における経済格差などが取りざたされるが、それでもかつての世界覇権国家を目指す人間は毎年後を絶たない、日本国民も大勢いる。

 

いずれにしろ、移民対策がいい加減で、移住者にはかなり緩い国だと思っていたが、サッカーの件だけを見ても少なくともそうではないようだ。