車の後ろから追随されたことと追随したこと
煽られてトラブルに巻き込まれるケースが増えていると報道されている。
ただこれは恐らく以前から問題になっていただろうし、今回は死者まで出る痛ましい事件が起きたためにここまでスポットを浴びる事になったと思う。
僕も煽られたことは3度くらいある。
初めて煽られたときは大学生の時で、普通乗用車を運転していたところ、訳の分からないことでいちゃもんを付けられ、ニュースなどで流れているように、相手は車をしばらく並走してきて、「おい、ふざけた運転してるな!なめてるのか」とかなり激高していた。
男性で大体30代くらいだったと思うが、突然のことに驚いて僕は何も言えず、ただあまりにしつこいので車を走らせたまま、「そんなに言うなら警察で話をしましょう」と相手に持ち掛け、相手も「おう!当然だ」みたいなことを言い、いざ警察署に到着するとそのまま逃げてしまった。
つまり、その男も自身がおかしい行動を取っている、という認識があったのだろう。
バイクで運転していた時も似たようなことに遭遇した。
僕のバイクの運転が気に入らなかったようで、よほど頭にきたのか、車をかなり飛ばして、国道の片側三車線の道路にそのまま車を横付けして、 "通せんぼ" をして僕の進行を妨げ、車から30代くらいの男が降りてきて僕に怒鳴りつけてきた。
名古屋か岐阜あたりの訛りだったことは覚えていて、「お前ちょっとはじの方にバイク寄せろ、向こうで話すぞ」と、脅し気味に怒声を浴びせてきて、僕の後ろには車が数台、立ち往生するような格好だったが、誰もがその異様な雰囲気にのまれ身動きが取れずにいた。
助けてもくれなかった、そのくらいの異様さだったのだ。
僕はその男の言う通りにするとマズイことになる、と身の危険を感じ、とっさの判断でヘルメットを取り、腰を90度以上に曲げて深くお辞儀をして「本当に、すみませんでした」と、詫びた。
大通りで他の車も立ち往生している状況を男もさすがにマズイと思ったのか、しぶしぶ諦めて車を走らせその場を去った。
あのまま男の言うように道のはじに寄せていたらどうなっていたか分からない。
僕のバイクの運転も悪かったのだろうが、それにしても常軌を逸した行動だ。
僕はそれ以来バイクには乗っていない。
今年になっても、後続車両からよく分からない理由で煽られ、クラクションを大きく鳴らされて窓ガラス越しに怒声まで浴びせられ、さすがの僕も腹が立って(これは今でも本当に腹が立つ)あおりかえし、追随してクラクションを浴びせた。
その男は何歳くらいか分からないが、こちらのクラクションなんか意に介していない様子でそのまま走り去っていった。
とはいえ、上記のどのケースも事件へと発展する可能性はあったわけで、何事も無かったことはホントに幸運だった。
僕の住む地域ではそもそもクラクションを鳴らす人間が本当に少なくて、強引に割り込んでくる車両もタクシー以外はあまり見かけない。
やむを得ず強引に入ってきても、例えば、 "ありがとう" の意味でハザードを付けたりし、そんな小さなことが無用なトラブルを防ぐことにも繋がっている。
だが最近では県外からのナンバーも増え、物凄い運転が荒っぽかったり煽られたりすることも増えていて、上記の、僕のケースの二つはどちらも県外の人間だった。
なぜそんなに腹が立つのか分からないが、こんな時にいつも思うのは、僕が例えば明らかに見た目が堅気ではなくて、能面のスキンヘッドでヤバ筋のいで立ちならば、彼等は絶対に、僕に対して煽る行為をしないはずなのだ。
"自分より弱そう" だから、そういう行為をしてくる。
ここに、日本でいまだにいじめがなくならない事の本質とも繋がる何かが見え隠れする。
今後このようなケースに巻き込まれそうになったら、素直に謝罪し、先に相手を行かせた方が良い。
一時の感情で無用なケガや事故で命まで落としてしまったら全く引き合わない。
僕自身も反省した出来事だった。
だが、煽りで暴力沙汰にまで発展したり、わざわざ車から降りてきて怒鳴りつけてくるなんて、どうかしてる。
異常だ。