事故物件に出会った~
本業の傍ら、知人の事業を手伝っている。
知人の会社が管理しているとあるワンルームアパートの入居者が退去したので
2人で数時間かけてハウスクリーニングを実施、トイレから部屋全体まで全てクリーンアップした。
終了後、休憩かねてお茶を飲んでいると、知人が、
「実はこの部屋、事故物件なんだよね」
とポツリ。
言われなければ全く分からなかった僕も、やはり驚きを隠せなかった。
人生初の事故物件。
確かに日当たりも悪いし、日中なのに電気をつけないと部屋は暗いし建物は古いし。
メリットは家賃が安いくらいのもの。
このような部屋に誰が住むのかと思ってはいたが、やはり住む人はいるものだ。
以前の入居者の3つ前くらいの入居者が何らかの理由で自殺をしたらしいが、その詳細は不明。
部屋の中に一つだけ開かないドアがあり、ノブも回らないし何だか君が悪い。
とはいえ僕は霊感は無いので、それ以上は特に気にならなかったが、霊感が強い人は大変だろう。
全国の事故物件を載せたサイト。
今や全国的に有名で不動産業者もこの情報を頼りに事業を進めるというが、大島てるのサイト運営者によれば事故物件とされる建物は、霊感というよりも何らかの構造的な問題がるのが殆どらしい。
こうした「事故物件でどんどん事故が起きる現象」はいわゆる心霊現象などではなくて、合理的な理由があると私は考えています。
例えば、強盗殺人が起きたマンションは往々にして、防犯上の問題を抱えている。
転落死亡事故が起きたマンションなら、バルコニーの造りに問題があったりします。
火災の場合は消防車が通れない場所にありボヤで済まなかったなど、立地面の問題が考えられます。
道路の突き当り位置し、クルマが突っ込みやすい土地にある建物なら、一度ならず何度も車両事故の被害に遭ってもおかしくない。
また、事故物件化すると、賃貸の場合、家賃を下げざるを得ません。
その結果、安い家賃の入居者と、事故前の高い家賃で住んできた入居者との間に溝が生じ、トラブルが起きやすくなることがあります。
-宝くじで1億円当たった人の末路より-
ちなみに、上記のサイトで僕の家の周りに事故物件があるか調べてみたが、やはり歩いていける距離に二件ほどあった。
そして、上記の知人と一緒に清掃したアパートは、そのサイトには記述が無かった。
気付かないだけで実は事故物件に住んでいるのかもしれない。
事故物件の告知義務というのも、やはりまだまだ曖昧な点も多いようだし。
性病扱いされて釣銭を渡された梅雨の日の午前
昨夜の夜遅く帰宅し、風呂に入っていると陰茎が何だかカユいことに気付いた。
爪先で少しかくと、何だかいつもと触感がおかしい。
覗き込んでみると、大きめの出来物が一つだけ陰茎に出来ていた。
痛くはないが、赤く腫れていてニキビのようにも見える。
男というものはちょっとした痛みにも耐えられない生き物らしいが、情けないことに
僕もたった一つのこの出来物に驚愕してしまい、翌朝、仕事もいかずまずは病院へ。
泌尿器科と皮膚科が受診できる個人医院だが、担当医は信頼できる腕前の持ち主。
受付にて若い女性担当者が、「今日はどうしましたか?」と早速質問。
「出来物ができまして」と答えると、なおも突っ込んで「どこにですか?」と聞いてくる。
この時点で嫌になったのだが、僕は自分の人差し指を下に向けて、「ここです」とだけ答えた。
受付の女性もそこは慣れたもので、「ああ」と言って何事を診察表に書き込んだ。
そして待つこと約一時間。
担当医にようやく名前を呼ばれ診察室に入った僕がすぐに陰茎の異常を説明すると
「では診てみましょう」とその医師はベッドへ促す。
ちょっとした沈黙が流れた後、「...気になる性行為はありましたか?」と質問。
一瞬ドキリとしたが、性行為はあるものの危険行為はこの数か月無いので、「ありません」と答えると、「ヘルペスや、その他の性病では無いようです、その場合はもっとひどいので」と、梅毒やヘルペスその他の性病の症状を画像入り症例集のようなものを紐解いて説明してくれた。
恐らく僕のものは何らかの黴菌が入ったの可能性があるとのこと。
ばいきん。
どこから侵入したのだろうか。
とりあえず性病ではないことに一安心したのだが、一方で傷跡のようなものが残るのか気になり担当医師にたずねると、電子カルテのようなものに、僕のちんこを描き始め、何やら説明をするのかと思いきや出来物があるところに"○(まる)"と書いて、
「もしかすると何かの後が出来るのかもしれないですねー」
と、今度は処方箋を書き始めた。
どうやら僕に説明するためにちんぽを描いたのではなくて、カルテに残す事が目的だったらしい、実物よりも大きく書いてくれていた。
こうして抗生物質と塗り薬を処方され病院を後にしたわけだが。
僕は何ともなかったものの、ここ最近、若い人の間で梅毒が流行っているらしい。
昔は梅毒も死に至る可能性のある病気だったものの、今やペニシリンの発見と医学の進歩により、初期段階できちんと治療をすれば完治する。
とはいえ、段階ごとに進行していく症状の見た目は衝撃的で、実際に自身のイチモツがその症状に重なっていたら卒倒しかねない。
僕の性生活は決して派手ではなく、むしろ少ないくらいなのだが、やはり不特定多数の人間との性行為は避けるに越したことは無いと実感。
薬局にて処方箋を提出し、その薬剤師が男性だったこともあるため僕の気持ちを察したのか、彼は担当医師の診断を見ているはずだが、薬の説明の際には、陰茎の「い」の字も出さずに説明してくれ、周りに女性もいたのでこちらも安心して薬を受取ることができた。
しかし、お会計の担当は女性で、こちらがお札を出して、うっかりお釣りを受取るために僕は自分の手を出してしまい。
その女性はあからさまに顔を歪め、お釣りを渡す手は僕の手に一切触れずに手のひらにお金を落とした。
何だか性病扱いをされたようでショックだったし、その女性があまり美しくなかったことも余計に僕を落胆させた。
自分の陰茎に異常を感じても、やはり羞恥心から病院に通院できない男性が一定数存在し、自宅でグッズを取り寄せて自分で性病かどうか調べたりする人もいるようだが、その気持ちも分かる気がした。
TVの映像や番組内容にクレームをつけるということ
最近ほとんどテレビは観なくなったのだが、久々につけてみるとクイズ番組やグルメ番組、動物モノの内容があまりに多いことに気付いた。
そのどれもが、他人に悪影響を及ぼさない、いわゆる "きれい" なものばかりであることが共通している。
たまに少々過激な番組を流そうものなら、
青少年の教育上良くない
子供が真似する、学校でいじめられる原因になる
その他様々な理由を付けてクレームが寄せられ、ニュースになることも多い。
だが一方では、グロい漫画等が流行っている現状もある。
宝くじで1億円当たった人の末路
の本の中で、グロい漫画がヒットする背景には、日本の「潔癖すぎる社会」が理由の一つであることが挙げられている。
テレビを含む映像その他の事象において、社会全体から"グロいこと"が消えてしまって
その反対に、人間はどんなことでも「自ら体験して、感じたい、味わいたい」と潜在的に願う生き物だから、それがグロい漫画が流行する一つの理由になる、という分析だ。
考えてみれば確かに、上述のようにテレビからグロいものが殆ど消えてしまったし、たまにその類のものが放送されようモノなら、物凄いクレームが寄せられたりして放送中止になったりする。
反比例してネット上では過激な動画や投稿がどんどん増え続け、それはクレームをした人たちが危惧していた、青少年の教育上いおいてはかなりの悪影響をもたらしている現状がある。
きれいなものばかりを写し、グロいものを、例えば今後漫画等でも禁止してしまうと、その矛先はどこに向かうのか予想がつかない。
「自ら体験して、感じて、味わいたい」人間の性質を満たせる社会の器が失われてしまうと、どうなるのか、という点については議論がされないままだ。
以前にもブログで書いたが、海外では、テレビで放送される内容については視聴者すなわち受け手側に責任があるとする国もある。
グロい内容の放送が流れるのを知っていて観る方が悪い、そう感じるのならば観ないという選択をすべきだ、というもの。
確かに日本でもチャンネルの選択権は視聴者に握られており、そんなに不快に思うならば観なければ良いはずなのだが。
いずれにしろ、テレビは殆ど観なくなったとはいえつまらない番組が増えた。
国際ロマンス詐欺というものがあるらしい
夜遅くに帰宅すると以下のドキュメンタリーが放送されていた。
「テレメンタリー2017 偽りの賛美歌」
インターネットで知り合った外国人に恋心を抱き、お金をだまし取られる
“国際ロマンス詐欺”。
SNSの普及に伴い、世界で被害が拡大し、今、日本人が狙われている。
女性たちが恋をした相手は会社経営のイギリス人のはずだった…。
しかし、男の素性は詐欺グループのリーダー。
交際から3年が経った頃から、お金を要求し始めた。
手下たちが逮捕される中、一度も姿を現さない黒幕の男。
取材班は潜伏先の海外へ向かい、ついに、その正体を暴く。
この聞きなれない、 "国際ロマンス詐欺" とは何なのか?
snsで知り合った外国人から恋愛をほのめかされ、お金をだまし取る手口
被害額は世界で200億円にも上る
上記の番組は日本人女性が被害に遭った詐欺を、ドキュメンタリータッチで描いたもの。
1,500万円の詐欺被害に遭った女性は、ある日face bookで見知らぬ外国人男性トニーから友達申請を受けた。
その外国人男性は会社経営者と自称しており、プロフィールには、世界各国の旅の写真が投稿されていたそうだ。
2年ほどかけその女性と外国人男性はSNS上で親密になり、いつしか女性も恋愛感情を抱くように。
そしてある日、
「親の遺産が8億円あるので、信頼する君に受取って欲しい」
というメッセージトニーから届く。
(ちなみに、女性とトニーは2年間の間に一度も会ったことは無い)
その時点でなかなかの展開だが、その女性はトニーの言われるまま、トニーが派遣した "外交官"と名乗る男性と直接現金のやりとりをすることに。
トランク片手に女性の前に表れた外交官と名乗る男性は、その中か黒い紙を取り出し、その一枚に特殊な液をかける。
すると、黒かった紙が米ドル紙幣となって姿を現し、
「トランクの中は全てのこの黒い紙幣で埋まっている。この黒い塗装を取るために特殊な薬品が必要で、その費用として1,500万円がかかる」
ついてはその費用を、女性に負担してくれないか、というのが詐欺の手口。
女性はまんまとお金をだまし取られてしまうのだが。
他にも被害に遭った女性がいたが、驚いたことに日本でこうした被害に遭っているのは60代の女性。
彼女たちがface bookを使用しているのにも驚かされたが、人生の酸いも甘いも噛み分けたその女性たちが、なぜか、こうした詐欺に引っかかってしまう。
ある被害者の女性も、「自分の中に恋愛感情がまだ残っているのには驚いた」と心情を吐露していたが。
僕の全く知らない世界だし、客観的に見ればどうしてそのような詐欺に引っかかるのか疑問だらけだが、当事者になるとまた別の見方があるのだろうし、そこには恋愛感情が絡みつくので見抜くのは簡単ではないのだろう。
何より、言葉巧みに近寄る男性には、どうしても心を許してしまうのかもしれない。
このドキュメンタリー番組のタイトルである、「偽りの讃美歌」の由来は、今回の主犯とされるトニーと名乗る詐欺師が、女性とのネット通話上で頻繁に讃美歌を唄っていたためだが、 笑うせえるすまんも顔負けの、孤独な女性の心の隙間にするりと抜け目なく入ってくる外国人詐欺師の細やかさはもはや天才的だ。
国際詐欺というのは上述のように被害額も拡大傾向にあるようで、以下のようなサイトも発見した。
大事なお金を失う前に、冷静になって上記のサイト等を見てほしい。
60代で大金を失うと人生真っ暗になってしまいます。
ちなみに、主犯格とされるトニーは、いまだ逮捕されていない。
気まづいステーキ屋でフードライターと遭遇
ここ数年ステーキブームが続いており、僕もご多分に漏れず、また単純に精神が参っていたこともあり、ある時期ひたすらステーキを食べる日々が続いていた。
話はとあるステーキ屋を訪れたとき。
開業したばかりのそのステーキ屋は、両隣がラーメン屋と定食屋があり、それぞれの常連客で毎日のようににぎわうような場所に位置し、業態が異なるのでそれぞれ競合することなく、すみわけも出来るような絶妙な場所ではあった。
ステーキ屋は店内も非常にきれいで清潔感もあり、今やステーキハウスでは珍しくない、サラダ、スープのセルフサービスかつそれぞれ食べ飲み放題がついて、ステーキも200Gが1,000円からという良心的なメニュー。
加えて24時間営業だったので、僕のような不規則な仕事に就く身としてはありがたい店でもあった。
夜9時くらいに入店すると、既にカウンターで食事をとっていたちょっと太めの男性客と僕を含めて2名のみ、少ないなと思ったが。
またそのカウンターに座る男性をどこかで見た事があるな、とも思っていたがその時は気にも留めず、食券販売機で200Gステーキを購入し、僕もカウンター席についた。
店に入った時から気付いていたのだが、このステーキ屋、雰囲気が重苦しい。
「いらっしゃいませ!」とか、「ようこそ!」といった店員のあいさつや笑顔も一切ないし、ちょっと店員が会釈するのみ。
あれ?と思ったがもう入ってしまったし別にステーキが旨ければいいやくらいの気持ちでいたのだが。
ステーキを待っている間、サラダとスープのセルフサービスを自分で盛り付けるためにそのコーナーへいくと、経営者と思われる男性と従業員とのおしゃべりが目につき、そのとき男性経営者と目が合ったが、その威圧するような視線がより一層、僕の気持ちをなんだか不快な気持ちにさせた。
更に臆した僕は、カウンターで小さくなってサラダとスープを黙々と味わっていると、同じくカウンターに座っていた太めの男性客が自身が食べている食事をコソコソと写真を撮っていることに気付いた。
その様子から、彼がローカル新聞にコラムを持つその新聞社の社員兼フードライターだということが分かる。(僕は新聞社で彼を遠巻きに見た事がある)
フードライター。
僕には聞きなれなかったが、その名の通り食に関する記事を書いている人を指し、例えば以下のようなコラムがそれにあたる。(今回のライターとは無関係)
彼もそのフードライターの端くれで、熱心に写真を撮っていたのだが、それより何より、写真には表れないこの店の重苦しい雰囲気にのまれていて食事をするのがなんだか気まづかった。
原因は、経営者と思われる男性。
僕のステーキを持ってくる時も無言で持ってきてテーブルに置いた後、無言で去っていった。
そして食べている間も僕の後ろを頻繁に通っては、射るような視線で食べている様子を見て通り過ぎ、人は視線を受けながらおいしく食べることはなかなか出来ないものだから、僕も味落ち着いて味わうことは出来なかった。(とはいえ味は普通)
食べている時にあまりの重苦しさに、カウンター並びに座る太めのフードライター氏と少し目が合い、彼も同じ気持ちなのだと気付いた。
ふと思ったのは、このフードライター氏は、こういった店で食した後はどのような記事を書くのだろう、ということ。
正直な話、肉は固めでそんなにうまくはないし、サービスは良くなく雰囲気は重苦しい。
サラダとスープくらいが僕の冷え切った気持ちを温めてくれたが、フードライターに限らず、食を評価してご飯を食べている人間は少なからず、このようなどうしょうもない店に入ってしまう事もあるはず。
顔が売れているとあまり変なことは言えないし書けない、というのが人間心理的にはあるような気がする。
フードライター氏は食事を済ませた後早々に店を後にし、帰り際に「ごちそうさまー」と声をかけるも店員からは一言も無し。
僕も追いかけるように食事を済ませて、二度と行かないだろうなという思いで退店。
後日、フードライター氏の書いた記事を読んでみると、綺麗な内装と、サラダとスープ、そして自身が食したステーキとハンバークの感想のみでそれ以外のコメントは一切なかった、うまいもんだなあと僕も苦笑い。
フードライターについては養成講座を提供する協会があることが判明。
フードライター氏も、こういうところで書き方については徹底的に学んだのだろうか。
うまいもんだ。
一方、後日そのステーキ屋を通ると潰れていた。
顧客に支持されなかったのだろうか。
だがもしかすると、安価で提供するステーキ屋なので、その他のサービスについては企業努力は一切しません、という営業方針だったのかもしれない。
だとすれば経営者からは1,000円程度でごちゃごちゃいう僕のような客はうとましい存在なのだろう。
ご馳走様でした。
日経平均株価が2万円台に上げても、給料はなかなか上がらない
NYダウ平均の上昇を受け、その翌日の日経平均も大幅上昇し、ついに2万円台を突破。
とはいえ、一般庶民は相変わらず何の恩恵も受けられず、給与も一向に上がらない。
知人の不動産経営者にしても、そんな実感はないと言い切る。
一方では、その溢れんばかりのお金が不動産業界には流入していて、不動産投資も活発だし、空き家問題に絡む土地建物に関しても、解体が盛んに行われ、更地にしてデベロッパーに売却という、壊してつくることが金をまた生んでいる。
なので解体業者はかなり潤っている。
解体業者を個人で営む者がそのありあまるお金で不動産を購入したり、夜のお店を経営してみたりと、お金は、あるところにはあってきちんと流れているのだ。
つまるところ、自分でお金が流れてくる仕組みを作らないと恩恵は受けられないということ。
反対に、あまり好景気を感じられない地域もあるようだ。
以前に岡山県の布団会社社長と海外で飯を食った時に、「世の中はアベノミクスで沸いているが、そんなにうまく景気が良くなっている訳じゃない、明らかにバブルだ」とも話していた。
中小企業は引き続き苦戦しているのだろう、もちろん、全てではないが。
目の前にある出来事がバブルなのか、景気回復なのか、残念ながら後になって分かることで、それは高世代の人間が判断する。
それよりもちょっとしたそういう時代の波に乗ることが出来るかが重要。
それにしても、日経平均もスゴいがダウ平均も上昇がスゴい。
みずほ総研のトンでも予想に近づく値動き。
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/today/rt161214.pdf
引き続き目が離せない。
良い人=人格的に素晴らしいではなく、害の無い人という意味
別に悪い意味では無いのだろうが、誰しも、自身の周りに一人くらいは
「あの人良い人だよね」
と称される人間がいる。
この場合に僕が挙げる"良い人"というのは、人格的に優れていて、人を思いやる心と器量の持ち主で、いつも笑顔を絶やさず、困っている人が進んで助け舟を出す、というものではない。
そして、上述のように、「あの人良い人だよね」という言葉を発する人の本音も、人格的に優れていると称している訳ではないと僕は思っている。
会社のとあるチームに所属する女子社員たちから非常に人気があって、ほぼ全員から好かれている、男性の中高年の上長がいる。
とにかくそこに所属しているチームの社員は彼のことが大好きらしく、熱烈な支持を得ているようだ。
ある日そのチームが再編成されて違う部署に吸収されたため、仕事の水準がより高度なものを求められるようになり、そこで働いていた女性社員全員も否応なしに業務のレベルアップを余儀なくされた。
だが、彼女たちのパフォーマンスは一向に上がらず、それどころか、これまでいかにぬるま湯の中で仕事をしてきたのかが白日の下にさらされることとなり、また新しく編成された部署のルールを彼女たちに落とし込む役割を持つ、その人気の上長についても、全くその職務が全うされていないことが判明し、そのチーム全体が部署の足を引っ張るような構図となっていた。
そのチーム全体に業務について圧力がかかる際、まずはその人気の上長に先に指令が飛ぶのだが、彼は口では受け良く返事をするも、その指令が彼女たちに流れることは無く、チームは何も変わらない。
つまり、その上長は彼女たちに厳しいことが言えず、高度な水準が求められている現状や、そうあらなければ将来的には契約社員である各々が職を失ってしまう結果ともなり得る、という大事な点も伝えられずにいるのだ。
そんな上長が人気だというのは、それは彼女たちにとって、
"厳しいこと、耳に痛いことを言わない都合の良い上司"
または
"人畜無害なひと"
なだけで、決して人格者とイコールではない、むしろマネジメントとしては大失格だ。
僕の所属するチームの間でも、「良い人と仕事が出来る人(ここではマネジメントという意味で)は違うんだなー」といった、もはや語るまでも無い当たり前の認識が、今更ながら、その人気の上長を例えにしてにわかにささやかれている。
"上司"については、コロワイドグループの創業者でもあり、現会長の蔵人金男氏の社内報での発言が、数か月前に話題となったが。
社内報はこちら
http://www.colowide.co.jp/datafile_new/pr_news_pdf_file_148793383651.pdf
リーダーは、鬼と仏の間を行ったり来たり、是々非々で考える。
叱る時は、叱る。
褒める時は、褒める。
だが全員、仏をやりたがる。
裏付けのないやさしさ。
-蔵人金男氏 社内報から-
僕はコロワイドグループの会長を支持している訳ではない。
だが、上述の上長のだらしなさを見ると、時には鬼の顔を持つことも大事なのかもしれないとも思ってしまう。
とはいえ、今は厳しいことも言いにくく、また言えない時代になっているから大変だ。
厳しく、耳に痛いことを言う人間は敬遠されがち。
だから上述の良い人が増え、鬼の顔役は誰もやりたがらず人気も無い。
毒にも薬にもならぬ人が、"良い人"の時代だ。