昼間からニタついて歩いている人間は大体頭がおかしい

勤め先の会社のビル周辺をうろついている変人、おっさんがいる。
何名かおり、それぞれパターンが異なっているものの、大抵はニタついて歩いている。

 

僕は話しかけられることは殆ど無いのだが、同僚の女性社員は割と頻繁に話しかけられているようで大変らしい。

突然、前から歩いてきて、「セックスする?挿入する?」と質問されたり、仕事帰りには「おつかれー」と声をかけられることもあるようだ。

 

ビルの周りをうろついている変人の一人が、朝から「おはようございます」と女性社員ひとりひとりに挨拶していたようで、たちの悪いことに、見た目ですぐには変人と分からないために挨拶を返す女性もいたようで、そうすると嬉しそうにするのだという。

 

中には気持ちが悪いために挨拶を無視した女性社員もいて、「おい、あいさつしろよ!」とすごまれたらしく、これらの人間が昼間からビルの周辺を一般市民のふりをしてうろつくものだから不安なことも多い。

 

最近では常駐の警備員も増えて、そのような変人は減ったが、勤め先のビルに限った話ではなく、平日の、ど真昼間から一人で歩きながらニタついている人間の多くは、大体頭がおかしいと見て良い。

 

僕自身、平日の休日の日に外でマラソンをしているとよくそういう人間に出くわすし、あるときは突然後ろから話しかけられて驚き、振り向いてみると、そこにいたのはわき毛をガンガン生やし、サングラスにタンクトップ姿の年増の女性だった、ということもある。

 

社会生活を送ることがちゃんと出来ているのか疑問なのだが、彼等が目立ってしまう理由は僕が住んでいる場所にもよると思われる。

 

いわゆる地方都市に住んでいる僕は、人口はそこそこであるものの東京含めた都心の人口密度に比較すると人間の数は少ないし、繁華街でもそれほど人ごみが出来ている訳ではないから、どうしても、精神的な疾患がある人や変人が目立ってしまう。

 

前にツイッターで、

 

「地方では働かずに昼間っからビール片手にウロウロしているニートは何もしなくても目立つために職務質問を受けやすいが、これが東京の新宿とかだと、全然違和感が無い。だから実は人ごみに紛れやすいという利点がある」

 

といった記述を読んだが、まさにそれだ。

 

都心の方に行くと幾らでもおかしな人間はいるわけで、目立って浮いてしまい、社会生活が送りにくくなるといったリスクは低いのだろう。

 

地方都市になるとまだ村社会や繋がり重視の一面が根強く残っているところもあるので、そこからはじき出されてしまうと辛い。

 

変人扱いされる、ということについては、どこからどこまでが普通なのかという線引きは難しいところがある。

 

例えば僕はプレッシャーに弱いタイプで、過度の期待や、今の生活スタイルが劇的に変わったりすることに対してストレスを感じやすく、最近もその手の重圧に悩まされ思考がうまく働かなくなり疲弊してしまっていた。

 

実際には、取りこし苦労や自分でありもしない恐怖を作り出しそれにおびえているに過ぎないのだが、こうした傾向は、悪い意味で真面目な性格が影響している。

 

だから努めて、不真面目、ゆるく生きる、といったことを実践するようにしているのだが、例えばこれが、平日の昼間からニコニコしながらマラソンをしてしまったりすると、もう立派に上記の変人の仲間入りになるわけで。

 

あまりニュースにはならないが、危険ドラッグのやり過ぎなのか、それとも単に常軌を逸しているのかあるいはその両方なのか知らないが、突然バスの中で裸になって踊りだす女性が近頃はいるようだ。

僕の住む土地でそのようなことは大変珍しい。

だが気持ちはわかる。

 

あまりにプレッシャーがかかりすぎると、スクランブル交差点で信号待ちをしている時でも裸になって踊りだして車につっ込んでしまいたい衝動にかられるからだ。

 

一種の現実逃避なのだろう。

 

いずれにしろ、僕の住む土地では、平日のド真昼間からニタついて歩いている人間は大抵、頭がおかしい人間だ。