線路高架化の立ち退きで2億円

先祖代々の土地がたまたま線路高架計画にかかり、その立ち退き料として2億円入った人がいる。

親族は当事者含め兄妹2人のみで、半分ずつ、つまり1億円ずつ分けたようだが、今どうなったかというと、まず当事者の一人は精神的に不安定な状況になり仕事にも就けず通院と入院を繰り返しているようだ。

もう一方もこれまでとは違う人生となっているようで、とどのつまり、大きく変化がおとずれてしまったことは間違いない、それもあまり良くない方向に。

 

business.nikkeibp.co.jp

 

宝くじの当選金が払い戻される際、銀行から高額当選者に「【その日】から読む本」という冊子が渡されます。
中には、「当選した興奮と付き合い、落ち着いたらローンなどの返済を優先すること」などが書かれています。
そういう冊子が配られること自体、宝くじが当たった瞬間に舞い上がってしまい、家庭内トラブルを巻き起こしたり、一度に大金を手にしたが故に身を滅ぼしたりするケースが少なからず存在する証拠だと思います。
-宝くじで1億円当たった人の末路-

 

 

これまでの収入と比較して思いがけない大金が転がり込んできたとき、人間というのは
その本人の精神と、当事者を取り巻く人間関係もがおかしくなってしまうものなのだろう。

 

地域によっては、そういった先祖代々の土地を売却する時には、厄払いの意味もかねて
ちょっとした祈願のようなこと行うところもある。

 

これは神を信じているとかいないとかそういう話ではなくて、恐らく、大金が入ってきたときの自らの高揚する精神と、その事柄で繋がる親族の精神を安定させる意味がもしかするとあるのかもしれない。

 

そういう点では理に適っている。

 

また加えて、上記の本によると、 "急に資産を築いた人" の財布を開くためのマーケティングは研究しつくされていて、そういった意味でも、不慣れな金額の取引は金銭感覚が麻痺して失敗しやすいようだ。

 

僕の知人で親から受け継いだ会社を経営している者がいるが、思いがけない収入が入ってくることもあり、その時は戸惑うと話しているし、実際、彼の金銭感覚は少しづつおかしくなっている点も否めない。

 

とはいえこれが、日ごろから大きな金額を取り扱い、相当の収入を得ている人間であれば、精神がおかしくなることはまずないのだろう。

年収100~200万の人間に2億円入ってくるのと、年収数千万の人間に2億入ってくるのとでは訳が違う。

 

 

宝くじで1億円当たった人の末路では、芝浜という落語を引き合いに出し、思いがけない大金が転がり込んでくるのを期待したりするよりも、額に汗して働き、適切なリスクの範囲で挑戦する、そういった事を繰り返していくことが人生であると結んでいるが、
いずれにしろ大金が転がり込んでくる人を羨んだり、それが原因で転落の人生を歩んでいる人間を憐れんでも、あまり意味がないのは確かだ。

 

「良く分からんけど、そういうこともあるよね」

 

くらいがちょうどいい。