生命保険の営業マンは大変らしい

かつての後輩がプルデンシャル生命の営業マンとして転職した。


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だが、一年を経ずしてどうも退職したようだ、本人と会っていないので詳しい話は分からない。

後輩が転職して後も、定期的に会ったりはしていて、その都度、営業の状況などは情報交換かねてやり取りしていた。

転職してすぐ新規開拓に邁進していたようで、平日や土日関係なく、飛び込み営業、異業種交流会、大小問わず様々なコミュニティへどんどん参加していたらしい。


そのために朝は早くから深夜まで働くのはざらで、後輩は家庭持ちで家族優先の目的も含め、プルデンシャルへの転職を決めたようだが、むしろ家族との時間は大幅に減っていた。


どれだけの契約数を獲得出来たのかは教えてもらえなかったが、ゼロでは無いものの、

「予想より少ない」

と後輩は話していた。

謎に包まれた生命保険の営業マン報酬額だが、聞くところによると、

・日本の保険加入率が89%
・平均の保険料が一月3万

といった数字があり、プルデンシャル生命の保険料は一般と比較して割高な方なので、仮に

ひと月4万の保険契約を月に5世帯獲得し、これを、一年間続けると…


「年収2500万円」

ということらしく、一見低そうなハードルとは裏腹に高額な報酬が魅力的なため、転職組が多い理由の一つとして挙げられる。


プルデンシャルの人間が他から営業マンを勧誘する際には、2割、6割、2割のパレートの法則を引用し、


人財 2割

人材 6割

人罪 2割

「上位2割の人財があなたである」といった独自のエピソードを言葉巧みに並べて他社から引き抜く。(だったらしい、全てではないでしょうが)


つまり、自社営業マン候補に対して、そのよどみない話し方で営業をするわけだが、そこは対人間のプロだから心理戦では到底かなわない。

とはいえ、晴れて入社すればその評価基準は徹底した「数字」のようだから、実力がある者の収入はそれこそ天井知らず。

僕の後輩が言うには、年収数億という、ホントに一握りの営業マンも別の支社に存在するようだ。


人も羨む年収を稼ぎ

好きな時に働いて

家族との時間を大事にしつつ

自由な人生を送る


そのような道を歩むべく、後輩は昨年、僕の勤める会社を飛び出した。

僕も彼の営業に少し同行したことがあるが、行く先々で出会ったのは一般庶民ではなくて、なぜか金に目がくらんだギラギラした感じのおっさんや

山師のようなうさんくさい人間ばかりで、人の濁流のようなものに営業マンでない僕ですら辟易するくらいだった。


「人に会うのが仕事なんです」


その時の後輩はまだ目がキラキラして前しか見えないようなまなざしだったが、それから幾ばくもたたないうちに気がつけば退職していた。

朝から晩まで、殆ど年中働き同士でも満足の得られる結果を残すことは出来なかったのは間違いない。

だが一方で、彼には営業マン特有の細やかさが無かった。

せっかく僕が損得勘定抜きで紹介した人脈に関しても御礼のひとつもないし、僕の行動範囲で開けた新たなコミュニティでせっかく名刺交換をしても

相手に対して後日すぐにメールをするとか、そういったアフターが皆無だったのだ。

これでは名前どころか顔も覚えてもらえない、正直なところ営業マンとしては失格だと思う。

細やかな配慮が無く、感謝も無い、そんな営業マンに、自らの大事な人脈を誰も提供などしないはずだ。


生命保険に限らず、営業の仕事は大変だ。


僕が副業で勤める不動産会社にも、定期的に家賃保証会社の営業マンが巡回してきて、彼等は家賃保証における賃借人からの初回手数料が主な収入源で

不動産会社と一度契約してしまえばそこまで細やかなフォローは不要ではあるが、やはり、巡回するたびに業界全体の事や、他社動向

その他気になる情報を簡単にピックアップして提供してくれる。

ちょっとしたことだが、それがあるかないかで結果は全然違うものだ。


プルデンシャルの営業マンにしても、自身の顧客が保険に関して問合せをするとすぐに時間を作って会いに来てくれるらしい。

それも、邪魔にならないように、最低限の配慮をして。

そういった細やかな基本動作のようなモノが徹底して備わっているから、営業トークもキラリと輝くのだろう。


後輩は僕に何も連絡もよこさずいつの間にか退職してしまったが、元々、向いていなかったはずだ。


当たり前だが年収数億、自由な働き方、時間のある人生、そんなものは簡単に手に入るものではない。