快楽を求めて脳内麻薬を出しまくる

マラソンランナーが経験する、"ランナーズハイ"というのがその脳内麻薬が頭に出まくっている状況のようで、モルヒネの5、6倍くらいの効果があるとかどうとか、そういった書き込みがそこここにある。

 

本当かどうかは知らないし、僕はマラソンを日課としているのだが、高揚感のようなものならば味わったことがある。

"自分は何でもできる" といった、ある種の万能感ともいうだろう。


だが、モルヒネの数倍というのは誇張し過ぎだ。


それならマラソン愛好者とラリ中が世の中にはもっといて良いはずだし、僕自身マラソンは苦痛でしかなく、ストレス解消と体力増強以外の意味は見出だせない。



中島らも氏が書いた、アマニタパンセリナという本では、様々なドラッグが氏の体験談も交えて紹介されており、僕はファンでもあるから今それを好んで読んでいるのだが、マラソンなんかではとても味わえないような薬物ばかりだ。


大昔はガマガエルを口に含むことにより、ガマガエルが持つ毒を薬物として接種していた人々も存在していたようで、今も昔も人間が薬物に求めるものは同じということがわかる。


中島らも氏は、「薬物やアルコールといったドラッグ性のモノにてを出す理由は、やっている側からすれば気持ちいいから」と話していたが、それは事実だろう。


ASKAも清原もマーシーも、気持ちいいから手を出したのだ。


とはいえ日本ではアルコール以外の殆どが禁止されているので、犯罪に手を染めたくない多くの人間は、酒に手を出すか、僕のように酒が飲めない者はその他の事を実行する。


その1つが、先程のマラソンだ。


上記にも記したが、マラソンではとてもあのような感覚は味わえないと個人的には思う。

だが実際にはランナーズハイというものは本当に存在するらしいところを見ると、走る距離や時間と身体への負担によって表れるものなのだろうか。


だとすればどれくらい走ればいいのだろう。


ちなみに10~20キロくらいならばこれまでにも走った事は多々あるものの、お腹を壊すくらいのもので、フルマラソンに至っては極度の疲労で満足に歩けなかった。


つまりどちらも、モルヒネのような効果は味わえなかった。


それが目的ではないから別にどうということは無いのだが、毎日のように走っていると、すれ違い様に顔を合わせるランナーもいて、特段挨拶を交わしたりなどはしないが、中には恍惚の表情というか、「イッて」いる方もいるからそれはやはりランナーズハイなのだろう。


マラソン以外で、脳内麻薬が出るものについては何があるのかよくわからないが、だが他人が見れば驚くような苦行にあえて挑戦する人達が存在する事を見ると、あれも快楽を求めてのものなのかもしれない。


小説家のW.バロウズが、「麻薬はひとつの生き方だ」という言葉を残したらしいが、脳内麻薬を出しまくって人生を送るのもひとつの生き方なのだろう。


気が付かないだけで世の中はそういう人間で溢れているはずだ。