睡眠負債とは本当に重要視すべきなのか
「睡眠負債」という言葉をご存知でしょうか。「睡眠負債」とは、アメリカにおける睡眠のエキスパートたちが提唱する考え方で、必要な睡眠時間に対する不足分、すなわち忙しい毎日の睡眠不足が徐々に溜まっていったマイナス分=負債のことをそう呼んでいます。
例えば、8時間の睡眠が必要な人が、平日は忙しく5時間しか眠れなかったら、週末にたっぷり眠ることで平日の不足分を補うことができるのです。
お金と同様、「睡眠負債」もしっかりこまめに返済し、健康のためのバランスを保っていなければならないという考え方なのです。
睡眠負債という言葉は初めて聞いたのだが、その意味は睡眠不足と大差ないようだ。
何だか日本中がニート以外は皆睡眠不足気味に思えてきて、快眠のためのツールがそのまま商機となって寝床までお金の時代になってきた。
ここでも問題になるのが、やはり睡眠時間。
ひところ、6時間睡眠が提唱されたり、4時間睡眠や中にはそれを下回る水準でも一日中活発に動き回れると胸を張る人間も居たり、どれがどれだか分からないのが正直なところ。
僕も小刻みに睡眠時間を変えて一日のサイクルを回してみたが、これまで統計を取った結果、8時間くらいはやはり必要で、7時間でも大丈夫だが昼に少し寝ないと体がだるくなるし、6時間だとちょっと頭の切れが悪い。
6時間を下回ると、全てのパフォーマンスがかなり低くなる。
4時間睡眠猛烈な仕事量をこなすビジネスパーソンが僕にはにわかに信じがたい、なぜなら思考回路そのものが働かないからだ、物事を論理的に組み立てることが非常に困難になる。
いずれにしろ、 "睡眠" という言葉が独り歩きし、上述のように負債だのなんだのと新しい表現がどんどん出てきてそれがお金に換金される仕組みなっているようで何をどう信じていいのか今一つ分からない。
本当は、どのくらいの睡眠時間が適しているのだろうか。
宝くじで1億円当たった人の末路 に説得力のある説が記されていた。
睡眠を自動車製造の工程に例えて説明しましょう。
自動車工場では、鋼板を加工し、溶接し、塗装し、内装品を取り付けて、と手順を踏んでクルマの形にしていきますよね。
人間の睡眠も寝ている間に、細胞を修復する工程、記憶を定着する工程、免疫細胞が抗体を作る工程など、だんだんと体や脳を再生していく仕組みになっています。
各工程はそれぞれ特徴的なタイミングで、時には並行して進みます。
重要なのは、自動車が車種ごとにリードタイムが異なるように、睡眠も個人によってすべての工程を完成させる時間が異なることです。
平均的には7~8時間と言われていますが、当然個人差があって、3時間で全工程が完了する人もいます。
中には一部の工程が不要な人もいるでしょう。
こういう人は短時間睡眠でも全く問題が無い。
だとすれば、睡眠にまつわる著書や雑誌、コラム、テレビ等はその多くがいわゆるマーケティング目的で行われているもので、本来は7~8時間の睡眠が必要な人が、無理にその半分に減らそうという行いは噴飯ものだといえる。
黒柳徹子氏はロングスリーパーの部類に入るそうだが、80を超えてもまだまだ現役なところをみると、彼女自身は自分に最も適した睡眠時間を確保していると言える。
有象無象の情報に惑わされず、自分の体に最も適した睡眠をとる、というのが結論。
考えてみればそれは当たり前の話で、いかに無駄な情報に踊らされているかが分かる。