無修正アダルト動画が消えてなくなるのか -カリビアンコム運営初摘発を受けて-
カリビアンコムが初摘発のニュースに激震が走った。
これまではサーバーそのものが海外にあったために、日本側での摘発が困難だったとされるが、今回初めて逮捕に踏み切った。
以前から日本中に溢れる無修正アダルト動画は問題になっていたようで、カリビアンコムはその最大の牙城。
そこを摘発することで、
"サーバーがどの国にあろうと関係ない、日本で、日本人向けに日本語で無修正アダルト動画サービスを提供する組織は厳しく摘発していく"
という、強烈なメッセージと、見せしめとして今回の摘発に至ったようだ。
日本の様々な面での締め付けは異常だと個人的には感じる。
性的な面で言えばこのアダルト無修正動画問題もさることながら、僕の住んでいる地域の有名な売春街も、数年前に警察の集中的な掃討作戦に見舞われ、その長い歴史に幕を閉じた。
かつてはサミットが行われた際に、警備をするために訪れた日本中の警察官がお世話になったはずの、歴史ある売春街なのだが。
何もかも締め付け、蓋をすることが本当に良いことなのだろうか?
この手の性の動画や売春街等は、絶対的に犯罪の抑止力になっていることは間違いないと、個人的には思う。
試しに性風俗サービスを提供するお店に、平日のお昼間に足を運んでほしい。
どれだけ多くの人間が来店するのか、需要があるのか、すぐに分かる。
だが一方で、そのような性サービス自体が(無修正動画も含めて)本当に抑止力になっているのかどうかが、正確に見極めるのも難しい。
例えば、オランダは売春が合法だし、ドイツは性サービスが充実しているため性犯罪が低いとされるものの、どちらも国民性と国が建国された背景が日本とは異なるし、海外の統計が詳しく取れないので比較するのは困難だ。
オランダに関していえば、犯罪そのものが減少傾向にあるとはいえ、それでも日本と比較すると、その数値は倍近くになる。
ただ、同じアジアで性風俗サービスが日本よりも充実しているタイでは、3年前までは性犯罪が1日87件の割合で多発していた。
この数字を低いとするのか高いとするのか、仮にこの数字が低い値だとしても、タイの性風俗サービスを厳しく規制すると、その数字は急激に高まるのか、これは分からない。
日本はというと、警察庁のデータによると2014年度の強姦件数は1,250件、強制わいせつ件数は7,400件。
だが、性暴力に遭い、被害を届け出る女性は、わずか18.5%というデータがあるため、この数字は正しいものではないという意見も。
いずれにせよ、今回のカリビアンコムの摘発は、ヘビーユーザーにとってもかなり痛い。
日本で働くサラリーマンの平均年収も減少傾向にある訳で、そうなると、自分一人で性的欲求を満たすことが出来て、なおかつ割安なこういった動画サービスが無くなれば、そのしわ寄せはいったいどこへ行くのか。
普通に考えれば、性犯罪に繋がるというものだが。
だが、別の視点もある。
このような現状は、我々、日本国民の問題である、と。
いま日本は様々な面で過渡期にあり、旧態依然の体質や当時の法規制といった、時代にそぐわないルールや価値観に縛られ、身動きがとれなくなっている感じがしてならない。
今日のブログでは、性に関する規制にスポットを当てただけで、それ以外のジャンルについても同様に、規制でがんじがらめになっていると感じることが多い。
閉塞感を助長するだけだと思うのだが、そうはいっても、例えば、今回の性的な問題でいえば、日本人特有のおくゆかしさは失われてしまったことは否めないし、年々、セックスに対してのハードルが低くなっているのは間違いない。
男女ともに初体験の年齢は下がる一方だ。
早急に安易な締め付けに走らず、緩和も視野に入れた議論の余地はあるかもしれない。
これから長い期間をかけて、ゆっくりだが確実に、日本のこれまでのルールの見直しや制定について話し合いが行われるだろう、いや行われなければならない。