不動産投資のプロと売買春のプロ

不動産投資に興味があって、関連著書を読んだりしている。
実際に不動産をやっている訳ではないので、初心者向けの本を雑多に読んでいる程度だが、不動産投資セミナーがあったので、それにも参加した。

 

経験者がセミナーをひらいていて、物件の調査から実際の売買、その周辺の法律的な手続きそして銀行とのやりとりや、中古物件の買取後のセルフリフォームといったところまで細かく話していた。

物件そのものの価値を知るには現場に足を運んだり、建物の構造や仕組みを知ることが重要とし、「築何年で、建物の現状、中古物件だと瑕疵の有無、それから減価償却や短期長期売買の税率シュミレーションを...」とか、不動産に対しての価値の見分け方や広げ方、税率と、そして「価格と相応なのか」の判断にはかなり心を砕いていた。


「買って、持って、売る」という話で締めくくったが、ここまで聞いたときに、大変不謹慎だが売春と買春の仕組みにちょっと似ているとピンときて、2人の知人を思い出した。

 

一人は、性風俗サービスを提供する女性を客の自宅に斡旋する、いわゆるデリヘルを経営していた先輩。


出稼ぎ労働などで貯めた300万円の資金を元手にデリヘルを開始し、かなり儲かっていたようだが、からだを売りたい女性を先輩は"買って"、彼女たちをオフィスに待機させ、つまり"持って"、客からかかってきた電話をもとにその客に彼女たちを時間で"売って"いたわけだ。
余談だが、そのような商売を行うにはやはり後ろ盾が必要なようで、「ある時その筋の兄貴に呼ばれて会合に参加したら、関係者の集まりだったこともあって」と話し、
先輩は暴力団関係者でもチンピラでも何でもない普通の人間なので、縮こまって隅っこに座っていたそうだが。
いわゆるみかじめ料的なものが幾らだったのか聞くと、なんと1万円。
これには思わず安いですねと漏らしてしまったが、今のように暴対法でうるさくなる前後くらいの話だったこともあり、商売がやりにくくなっていたのかなーと。

ただ先輩には向いていなかったのか、何か人には言えない大変なことがあったのか、黒字にも関わらず1、2年で手を引いてしまったそうだ。

 

もう一人は、海外で買春しているおじさん。
彼は主に東南アジアで買春をしていて、これまでタイ、フィリピン、インドネシア、中国、韓国、台湾、その他の国にも多く足を運び、「殆ど生でしかやらない、沢山の女性と関係を持ったが、病気は2度だけ、どちらも淋病だ」と赤裸々なことも話してくれた。
HIVの危険性は?と思ったが、かかりつけの医師がいるようだ。

その知人が最も重視していたのは、"女性の年齢"と"容姿"そして"料金"また補助的な意味合いとしては、どのくらいの時間一緒に過ごせるかだった。

「女性と事に及んでいる時に、性器から膿が出ていないか」も調べるようで、目に見えない瑕疵についても心を砕くことを忘れない。

 

まさに、不動産の築年数と、現状や瑕疵有無、そしてそれらが予算や市場価格等と天秤にかけても相応なのか、といった考え方とほぼ同じなわけで。

 

「海外のそういった場所だと、暗くて女性の顔が良く見えないので、携帯のライトは必須。あまり顔を照らすと女の子が嫌がるから首か胸元あたりにライトを当てて、顔を見る。そして"何歳ですか"と聞くんだけど、例えば中国語だと○◇▽#*と言ってね...」と、独自のノウハウを語る語る。

最後に自身の好みや予算と、市場価格も照らし合わせ、"朝まで一緒に過ごしてこの料金でどう?"と女性と交渉するようだが、その様子は、不動産投資でバリバリやりとりする人とほとんど変わらない。

 

このいわゆる市場価格というのは、この場合は買春の値段をさすが、無暗にお金を出せばいいということでもないようで、「何も分からない日本人が、やたら女性に金を出して、価格を上げてしまうのは非常に良くない」と強い懸念を示していたが、彼等には彼等のルールがあるようだ。

 

まあお金が絡む何かしらの経済活動は、原理が全て同じである、ということの証左で、不動産投資は経済が発達した資本主義を象徴するビジネスだが、そもそもは売買春はキリストが生まれる前からあった最も古い商売とされているので、この場合は、不動産投資が売買春の仕組みに習っているといえるのだろうか。

 

それにしても、不動産投資は別として、あの買春にかける熱意は凄いものがあった。

彼は会社経営者の顔も持っているが。