マンション修繕費が狙われる

マンションの大規模修繕にのための積立金が、適正に使用されずに過度な工事代金として計上され、それにともなうお金の流れの不透明さについて、NHKの放送でも問題提起されていた。

 

hh.pid.nhk.or.jp

 

新築マンションが建設されなくなった現代、仕事にあぶれた1級建築士が大規模修繕のコンサルタント業務に群がり、知識の無いマンション住民に対して工事代金を修繕積立金いっぱいまで見積額を提示し、その工事額をもとに建設会社に入札させ、バックマージンコンサルタント会社が10%~20%受取っていたというもの。


マンション修繕に関しては明確な基準やガイドラインが設定されておらず、お金のあるところで、法整備がいきとどいていないところに、うまみを求めたコンサルタント会社による起こるべくして起きたことだ。

 

http://www.mlit.go.jp/common/001170196.pdf

 

国土交通省も異例の早さで問題について発表したようだ。


僕の住む地域でもマンションが建設ラッシュであり、それは日本全体が不動産バブルに浮かれるところも追い風となっているが、とにかく作れば即完売で、例えば土地が借地で建物だけが所有権となっているようなケースもあり、その後の将来的なガイドライン等も含めた住民目線の建築と販売に繋がっているとは言い難い面もある。

 

マンションの構造や運営の仕組みに何らかの問題をはらんでいるとしても、それが噴出するのは10年以上も先の事であり、その時にはマンションを施工した会社も存在していない可能性がある。

 

考えてみれば、住民はそのくらい大きな買い物をしているわけだが、どういうわけか実際に住み始めると自分の事としては考えられずに無関心で組合の集まりにも参加しない。

 

修繕積立金というのは都道府県にもよるのだろうが、月々馬鹿にならない金額を積み立てているのであり、それを取り崩して建築するのだから、一戸建てに住む人の修繕と同じように考えなければならない。

 

だが大きなマンションで100戸以上になるとどうも団地に住んでいるような感覚にとらわれ、当事者意識を失ってしまうのかもしれない。

 


特筆すべきは上述のコンサルタント会社で、マージンは10%~20%とされているようだが、修繕工事というのは時に億単位の金額にも上り、コンサルタント会社は数千万円を稼ぐ、まさに濡れ手に粟の商売。

 

自ら何かを創る訳ではないからぼろ儲けだ。

 

しかも、この手のバックマージンの問題は実証するのが極めて難しい、つまり罪に問われるケースはまれだという。

良く思いついたものだ。


法整備のいきとどかないところや規制のゆがみがあるところでは金が生まれやすい。