会社を辞めるとき

今日は僕は休みだったのだが、会社の上司に退職を申し出てきた。

 

昨年も退職したいと話したところ留意され、それで、今年の今の今までズルズルと働いてきた。

話しているあいだ、上司は引き留めるでもなく淡々とどうしたら良いのか、思案している様子だったが、それは僕の事を案じている訳ではなく、この退職のことを、自分の上司にどう告げるのかを考えていた。

 

実際に言葉に出してそう話していたし、それはとどのつまり、上司自身の立場だったり、部下の管理能力を問われれるといった、そんなことをもしかしたら考えていたのかもしれないが、当たり前の話でそれは自然の事。

 

しかも今回は異動するタイミングで話したので、いわゆるバッドタイミングというものらしい。(世間的には分からないが)

 

だが正直なところ、最も適したタイミングで辞めることなど出来ない。

 

いつも何かの理由があって、「〇〇が済んでから」とか「もう少し様子を見て」だとか、常に辞めるタイミングが今ではない、ということを示すためのエビデンスを幾らでもある。

 

異動を発表する前に辞意を表明して欲しかった、と、ポツリと言われたが、僕としては希望する異動が叶うのかどうかそれは正に人生を左右するくらいの気持ちで待っていたので、色んな人に迷惑をかけたろうであろうことは胸が痛いがこれまで、我慢に我慢を重ねて耐え忍んだ日々を思えば、それは許してほしい、という気持ちが強い。

 

まだ実際に異動はしていないので、上司のメンツを多少は潰すことになるのかもしれないが、それでも僕という人間には今、給与以外にお金が発生していないので、最低限のマナーは守ったつもりだ。

 

人間が一人異動するだけで、物凄いお金がかかるのだ、それは表ざたにされていないだけ。

 

とはいえ、辞めていく人間がそこまでのことを気にする必要は本来ないと、やはり思う。

 

「あの人が悲しむから」とか「会社が困る」とか「迷惑をかける」というのは、確かに綺麗な言葉ではあるが、それを理由に自分の人生の舵を大きく、それも別の方向に切らない理由にはなりえないし、またそれが理由で動けない、というのもいけない。

 

会社を辞める時は、本当に色々な思いがないまぜになって、どれが自分の本心なのか分からなかったりするし、「これでほんとうにいいのだろうか」と、自分を疑いだしたり、迷いや恐怖心も芽生えてきてとにかく精神的な負担が凄い。

 

大した決断ではないのかもしれないが、僕のような平凡な人間にしてみれば年齢を考えてもやはり大きなことであり、非常に迷った。

 

だが一方で会社は、僕がいなくても回る、今もこれからも。