形を変えた不動産業
マクドナルドを世界的なチェーン店に押し上げた、レイクロック氏。
映画では、レイクロック氏がどのようにしてマクドナルドを開店し、最終的にはオーナーの地位にのしあがるに至ったかも描かれている。
マクドナルド兄弟とフランチャイズ契約を結んだレイクロック氏は、凄まじいスピードでアメリカ国内に店舗網を拡大していくが、マクドナルド兄弟にフランチャイズ契約料を支払うと、彼の取り分はわずかで金銭的には開始当初は常にギリギリだった。
だが、その後出会ったハリーソナボーンの助け船もあり、土地を購入しその上にマクドナルドを開店、店主からは土地のリース料金を徴収し、それを土地購入としての銀行からの借入金返済に充てる、といったビジネスモデルを構築。
これが現在のマクドナルドの礎にもなり、レイクロックにも莫大な富をもたらし、その莫大な資金でついにはマクドナルド兄弟からマクドナルドというブランドそのものも買い取ることに成功した。
一方で日本には今般上場したWashハウスという会社があり、コインランドリービジネスに特化し、独自のノウハウを売りにフランチャイズ展開を実行。
その店舗網は着実に増えているものの、足元の業績については下方修正の報道がなされて株価も大きく減少している。
現在の業績と将来性はさておき、このWash ハウスの事業もコインランドリーというよりは不動産ビジネスに近いといって良いだろう。
土地の選定から同社が行いつつも、平行して地主オーナーへ事業用の定期借地で土地を借り上げるビジネスモデルを提案。
その実質的な費用の負担者はフランチャイズ加盟オーナーなわけで、どの程度、Washハウスにキャッシュが流れ込むのかは分からないが、何となくマクドナルドに似ている。
創業者である児玉氏は元々、地場の不動産会社に所属していた経歴の持ち主でもあるし、不動産事情やその方面の法律には明るいはず。
そして、児玉氏は日本マクドナルドでの勤務経験もある。
不動産業は従来の売って、買って、貸して、といった単純なビジネスモデルでは食べづらくなっているので、例えば不動産をやりながらホテル事業に手を出したりだとか、幾つかの事業用を複合的に合わせて相乗効果を狙うやり方が増えている。
今に始まったことではないのだろうが、この流れはより一層加速すると思われる。