-The Founder- McDonald's

thefounder.jp

 

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元々はマクドナルド兄弟がサンバーナディノにて開店した、マクドナルドハンバーガーがその原点となっているのは有名な話だが、世界中にマクドナルドを展開したのは、レイ・クロックだ。

 

www.mcdonalds.co.jp

 

だがこの映画のタイトルである、founder -創業者が、誰になるのかは、映画を観た個人個人の見解にも別れるかもしれない。


レイ・クロック氏は、52歳でマクドナルド兄弟と出会い、その大いなる野心でマクドナルドを世界一のファーストフードチェーン店に押し上げ、自身も富豪の仲間入りをし、一介のセールスマンからのし上がったのだが、そんな氏に影響を受けた起業家は多く、彼が記した著書である「成功はゴミ箱の中に」は様々な人間に今でも読まれている。

 

著書ではマクドナルド兄弟との意見の食い違いや軋轢も勿論記されていたが、映画は、もっとさらに人間的に氏を描いている。

 

 

成功に必要なことは 根気と信念

幸運は大胆さを好む

野心こそ人生の醍醐味

 

 

まさに成功を目指しギラギラとした野心を持つ者らしい、刺激的な言葉が映画では頻繁に出てくる。

 

物語の最後には、レイクロック自身がインタビューに答えている当時の映像も流され、マクドナルドを手中に収めるために、どんな思いで事業に取り組んできたのか赤裸々に語っていた。(以下はその抜粋)

 

ひと目見た時に、黄金に輝くアーチと"McDonald's"という名前を手に入れようと決めた。
"McDonald's"というそのものが実にアメリカ的で美しかったのだ。

私は(マクドナルド兄弟との)最初の契約を270万ドルで破棄し、想像を絶するえげつない方法で競争社会を勝ち抜いてきた。

 

映画の中でも、マイケルキートン演じるレイクロック氏が、マクドナルド兄弟との言い争いの際に、

 

「...ビジネスは甘くない、競争相手が溺れていたらその口にホースを突っ込む。あんたらにそれが出来るか?」

 

と、まさに全身をギラつかせ兄弟に問いかける。

しばらくの沈黙の後、マクドナルド兄が

 

「...出来ないし、やりたくもない」

 

と、一言。

この瞬間、マクドナルド兄弟からレイクロック氏に、創業者としての立ち位置や事業そのものも移ってしまった。

 

 

いわゆる、世間にあふれる成功者の自伝のようなモノには、映画も含め綺麗な部分しか描かれないのだがソフトブレーンを創業した、宋文州氏が雑誌のエッセイで、

 

「日本の創業者は自伝や著書に良いことしか書かない。誰もが自分の良いところしか見せたくないからそれは当然の事なんだけど、そこに書かれている美しい言葉をそのまま鵜呑みにしてはいけない」

 

といった内容のコメントを寄せていて、McDonald'sのレイクロック氏も、インタビューで答えているように想像を絶するえげつない方法で、きれいごと抜きで、ビジネス戦線を勝ち抜いてきたのだろう。

 

そんな人間臭さを持つレイクロック氏を別の視点で観るのも非常に面白い。

 

マクドナルド兄弟にしても、その才能をいかんなく発揮し、店舗を創り上げたことは間違いなかった。

 

元々は映画業界の社員として働くことが目的だったようだが、コツコツと働いて貯めた資金で映画会社を買収し、大恐慌が訪れて赤字に転落。

 

その後、近隣で流行っているホットドック屋に目を付け、自身たちも外食産業への進出を決意。

思考錯誤を経て、マクドナルドという、30秒でハンバーガーを出す、当時としては全く新しく画期的な店を創り上げたのだ。

 

本映画は派手なシーンは特になく、マイケルキートンの演技が光るが、特に誇張したような場面も無かったので、極力、レイクロック氏本人と、マクドナルド兄弟の姿を含めた人間ドラマに近づけるように作品は制作されたのだろう。

 

物語の終盤に、成功したレイクロック氏がスピーチの練習をしているシーンが流れるが、50を過ぎて大成したことがスピーチの内容に盛り込まれ、それは当時多くの人間を感動させたのだろうが、今の時代でも、50を過ぎての成功談は人々を魅了し、時に奮起させる良い機会ともなる。

 

 

 

やり遂げろ-この世界で継続ほど価値のあるものはない。

才能は違う-才能があっても失敗している人はたくさんいる。

天才も違う-恵まれなかった天才はことわざになるほどこの世にいる。

教育も違う-世界には教育を受けた落伍者があふれている。

信念と継続だけが全能である

成功はゴミ箱の中に