胃袋をつかみ、心をつかめるか
こういう記事があるくらいだから、実際はそういう一面もあるのだろう。
ただやはり、万人向けに書かれた記事でないことは確かだ。
僕は人生においてこれまでモテた試しが無いが、個人的に何度か食事を作ってきてくれる女性が過去にいた。
僕が独り暮らしで、独身で、彼女もいなくて、食事なんか適当に済ませている、という話をその女性の前でしたときから、急に食事を作るようになったのだ。
せっかく作ってきてくれたのに失礼な話だが、僕は近しい人(彼女など)や近親者が作ってくれた食事でないと積極的に手が付けられない。
外で金を払って食べるのは平気なのだが(チェーン店は特に安心感がある)。
なので、せっかく貰ってもまた違う人にあげてしまっていた。
そういう事が何度か続くうち、さすがの僕も、その女性が僕に対して恋愛感情を抱いていることがわかった。
それからは、気持ちを受け止められないということもあり、更に食事に手を付けることが出来なくなってしまった。
以前、坂上忍が「かなりの潔癖だ」と発言し、そのエピソードとして、誰かと同じ料理を食べるときはそのビジュアルを見て食べるかどうか決める、といったものがあった。
つまり、ビジュアルが良くない人間が作ったりしたものや、そういう人たちが箸をつけた料理を食べられない、ということらしい。
これを聞いた後、女性には申し訳ないが僕もそれにあたるのだと気付いた。
食事を作ってきてくれた女性は、残念ながら好みのタイプではなかったのだ。
だがこれは、男性だけのものではない。
その証拠に、
「ただし、イケメンに限る」
という言葉が一時しきりにささやかれていたはずだ。
壁ドンや頭ポンポン、顎クイされたい女性は、それをしてくれる男性なら誰でも良いのではなくて、前提としてはイケメンでないといけない、というものだ。
僕は拒絶されるのが怖いのでそんな行為はしないのだが、一方で、「男性の心をつかむには胃袋をつかめ」の神話が上記の記事にあるようにいまだに流布されているので、一生懸命に料理を作る女性も多いはず。
身近であと二人、そんな女性を知っているが、どちらも成就しなかった。
それぞれの女性のビジュアルは想像にお任せしたい。
考えてみれば、過去に料理がお世辞にも上手いとはいえない彼女が二人いて、彼女達が作ってきてくれたものは何だろうと残さず食べた。
そして、どちらも美人だったのだ。
今回、僕に料理を作ってきてくれた女性は好みではなかったが、味の方は抜群に旨かったらしい。
(料理を食べた人の感想)
とはいえ、全ての恋愛が成就しない、というわけではないはずだし、実際にお付き合いがスタートしたケースもあるようだから、半々に聞いておくくらいがちょうど良いのかもしれない。