TVの映像や番組内容にクレームをつけるということ
最近ほとんどテレビは観なくなったのだが、久々につけてみるとクイズ番組やグルメ番組、動物モノの内容があまりに多いことに気付いた。
そのどれもが、他人に悪影響を及ぼさない、いわゆる "きれい" なものばかりであることが共通している。
たまに少々過激な番組を流そうものなら、
青少年の教育上良くない
子供が真似する、学校でいじめられる原因になる
その他様々な理由を付けてクレームが寄せられ、ニュースになることも多い。
だが一方では、グロい漫画等が流行っている現状もある。
宝くじで1億円当たった人の末路
の本の中で、グロい漫画がヒットする背景には、日本の「潔癖すぎる社会」が理由の一つであることが挙げられている。
テレビを含む映像その他の事象において、社会全体から"グロいこと"が消えてしまって
その反対に、人間はどんなことでも「自ら体験して、感じたい、味わいたい」と潜在的に願う生き物だから、それがグロい漫画が流行する一つの理由になる、という分析だ。
考えてみれば確かに、上述のようにテレビからグロいものが殆ど消えてしまったし、たまにその類のものが放送されようモノなら、物凄いクレームが寄せられたりして放送中止になったりする。
反比例してネット上では過激な動画や投稿がどんどん増え続け、それはクレームをした人たちが危惧していた、青少年の教育上いおいてはかなりの悪影響をもたらしている現状がある。
きれいなものばかりを写し、グロいものを、例えば今後漫画等でも禁止してしまうと、その矛先はどこに向かうのか予想がつかない。
「自ら体験して、感じて、味わいたい」人間の性質を満たせる社会の器が失われてしまうと、どうなるのか、という点については議論がされないままだ。
以前にもブログで書いたが、海外では、テレビで放送される内容については視聴者すなわち受け手側に責任があるとする国もある。
グロい内容の放送が流れるのを知っていて観る方が悪い、そう感じるのならば観ないという選択をすべきだ、というもの。
確かに日本でもチャンネルの選択権は視聴者に握られており、そんなに不快に思うならば観なければ良いはずなのだが。
いずれにしろ、テレビは殆ど観なくなったとはいえつまらない番組が増えた。