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人前でスピーチしなければならないときに読む小説

スピーチの極意十カ条

一、 スピーチの目指すところを明確にすること

二、 エピソード、具体例を盛りこんだ原稿を作り、全文暗記すること

三、 力を抜き、心静かに平常心で臨むこと

四、 タイムキーパーを立てること

五、 トップバッターとして登場するのは極力避けること

六、 聴衆が静かになるのを待って始めること

七、 しっかりと前を向き、左右を向いて、会場全体を見渡しながら語りかけること

八、 言葉はゆっくり、声は腹から出すこと

九、 導入部は静かに、徐々に盛り上げ、感動的にしめくくること

十、 最後まで、決して泣かないこと

 

 

上記は、「本日はお日柄もよく 原田マハ」という小説からだ。


一般会社員として働く27歳の女性主人公が、スピーチの素晴らしさと魅力に惹かれ、そしてその道のプロと出会い、ひいては政界で自身の才能を開花させていく、といったような内容。
ビジネスと政治の場一辺倒ではなく、多少の恋愛模様も描かれていて、30万部以上売れ、ドラマ化も決定しているようだ。

 

意外とおろそかにされがちな、この "言葉" と、"スピーチ" 。

 

日本で一番売れている作家の村上春樹氏が出す作品はどれもスマッシュヒットで、その著書は世界中のファンを魅了するが、村上氏の小説が売れている理由は、"言葉" と "言葉" の組合せが恐らく誰よりもうまいからだろう。

 

アメリカ合衆国大統領バラク・オバマ氏にも、専属の若いスピーチライターの存在が大きかったとされる。

 

diamond.jp


上述の「本日はお日柄もよく」では、その内容は別にして、聴衆に語りかける "言葉" を自由自在に操るプロについて描かれているところは斬新で、結婚式やその他の公の場で、スピーチをしなければならない人にとって真似できそうなところもたくさんあった。

 


「"CHANGE"という言葉を少し変えるだけで、"CHANCE"になる。
大切なのはこれ、GをCに変える、ちょっとした勇気を持つことです」

 


例えば↑↑↑のような、バラク・オバマアメリカ合衆国大統領の演説になぞらえ、日本人が喜びそうな、かつすぐに使用できるフレーズがこの小説には溢れている。

 


これだけ情報発信が入り乱れ、常日頃メッセージの相互受信を求められる時代には、これまで以上に言葉の持つ力の重要性が意味を持つことになる。

 

スピーチや言葉で世界が変えられるかというと、それは分からないが、少なくとも歴史書に名前が記載されている偉人は、やはり聴衆に語りかける能力に長けていた、という側面があることは否めない。