かつての業界1位、かっぱ寿司の飛躍なるか

かっぱ寿司の営業不振が未だ続いている。

 

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かつては回転寿司チェーンとしては業界1位だったが、現在はあきんどスシローくらコーポレーション、そしてすき家で有名なゼンショーのはま寿司にも抜かれている。

 

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回転寿司業界は、ここ数年の間に競争がかなり激化しており、寿司の鮮度、ネタの種類、価格は当たり前のこと、今やそれ以外のサイドメニューの充実化が欠かせない。

最近ではカレーや牛丼、ラーメン、更にはスイーツといった、従来の常識からは考えられないメニューも登場し、顧客から支持を得ている。

 

一方で、かっぱ寿司はその波に乗ることが出来ず、ただ単に安い回転すしのイメージからいまだ脱却できずに、2017年3月期の連結最終損益は59億円の赤字に転落。

 

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渦中にある、再建を託された、新社長に就任予定の大野健一取締役とはどのような人物なのか。

 

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もとはかっぱ寿司を買収したコロワイドに在籍していた生粋の料理人で、同社のブランドである居酒屋北海道といったメニュー開発にも携わる。
加えて卓越した包丁さばきを持つ職人肌であり、かつ食へのこだわりには定評がある。
それだけではなく、一時期客離れが深刻だった居酒屋への集客において、"昼宴会"を打ち出し、夜に飲み会をひらくサラリーマン以外の、主婦といった別の顧客層をいち早く取り込み、居酒屋業界においては珍しい、昼の時間に新しいマーケットを作った人物である。

 

その実績を買われ、コロワイドグループでも瞬く間に経営幹部に上り詰めたが、今回のかっぱ寿司への社長就任が正念場となる。


かっぱ寿司の実質的な支配会社である、このコロワイドグループ。


10年ほど前にはグループ全体の売上高は1千億にやや届かず、というところだったが、積極的なM&Aを重ね、今や売上高は倍以上の2千億を優に超える、外食産業の巨人にまで成長した。

 

社内報での会長発言が今まさに話題を読んでいるが。

 

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典型的なオーナー企業であり、その影響力が強いのか、グループ会社の社長はコロコロ変わり、過去に名を連ねた経営幹部の多くはその名前が同社HP上から消えている。

 

かっぱ寿司の業績次第では、新社長の大野健一氏はコロワイドの中枢に上り詰めていくだろう。

マーケットを創り出す能力と商品開発力、そして料理人としての実績も持ち合わせており、大野氏の実力は折り紙付きだが、それが大いに発揮されるならば、かっぱ寿司の株は魅力的であり、今は割安だといえるかもしれない。

 

かつての業界1位を再浮上させることが出来るか。