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東芝の末端社員は気の毒だ

政治・経済

日本を代表する大手メーカー東芝が倒れるかもしれない。
不正会計問題の火消しに躍起になり、沈静化したと思いきや、再び原発事業が足かせとなり、今や実質的な債務超過


僕は昨年に東芝の株を247円くらいで購入し、今年の急落で見切りをつけて売ったので損失は無いが、このような形で日本が世界に誇る企業が倒れるのを見るのは、あまりよい気分ではない。

有力部門、いわゆる稼ぎ頭の部門を売却し、何とか建て直しを図っているが、それも今や将来は不透明。
原発事業を推進した幹部、ウェスチングハウスの事業買い取りを決めた当時の経営陣はその責任を問われている。


旧ライブドアが不正会計問題で取り沙汰されたときには、ライブドア上場廃止に追い込まれ、堀江氏個人も200億円あまりの資産を吐き出して和解している。
東芝の経営陣は、役員報酬として年間1億円あまりを手にし、退職金も驚くほどの額を手にするだろうが、その彼らも
老後を脅かされるくらいに責任を問われる段階にきている。
東芝という巨大企業をここまで傾かせたのだから、仕方のないことだろう。

司馬遼太郎氏の「坂の上の雲」で、乃木希典率いる部隊の兵が、ロシアとの戦争において相当の人数がしんでしまい、その判断のまずさを児玉源太郎が嘆く場面がある。
上の人間がだらしないと、下の人間が苦労する、ということのお手本みたいなもので、今の東芝も少しそれに似通っている。
違いは、指揮権を交代しても戦況はが一向に良くならず、むしろ悪くなっている点だ。

「会社は守ってくれない」「安定なんてない」「サラリーマンだって厳しい時代だ」そういわれて久しいが、少なくとも東芝で働いている末端社員は、それこそ選りすぐりの精鋭で
ずば抜けて優秀なわけだし、日本を代表する企業に勤めているという自負も誇りもあるだろう。

会社に賭けていた者もいたはずだ。

それが、ほんの一握りの経営陣の、ほんの少しの判断のまずさで、これだけの結果になる。

考えてみれば、日本は世界を代表する企業が幾つもあるが、他国のグローバル企業に請われる形で日本の経営者が異国の地で経営に携わるケースは聞いたことが無い。
それは、世界的な企業経営者が、日本にはいない、ということなのだろうか。

とにかく、東芝の社員は気の毒だ。

特に末端社員には何の権限もないのだから、「ひとりひとりが経営者の自覚を持て」と発破をかける経営者は噴飯ものだ。

職業選択が悪かった、としか言いようがないのだろうか。