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トランプ氏はやり手だ、今はまだ批評をするには早い

政治・経済

トランプ氏が当選してからのちに、日本の書店にはトランプ本が数多く並ぶようになった。
その多くが本人の書いたものではなくて、評論家が書いたものだ。

 

僕はすぐに"トランプ自伝 不動産王にビジネスを学ぶ"を読んだ、トランプ氏本人が書いたものだ。
トランプ氏の著書は過去アメリカではベストセラーとなったこともあり、ビジネス講座の教科書として使用されているものもあるようだ。


この自伝はだいぶ前に書かれ、日本用に翻訳されたもので著書の一つに過ぎないが、彼がどんな人物であるのか、一部分ではあるがそれが垣間見える内容となっている。

 

自伝、ニュース、ネットメディア、その他のドキュメンタリーを通して感じたのは、トランプ大統領は優れたブランディグ能力と卓越した取引手腕、そして目標を達成するためのパワーと絶妙なビジネス感覚の持ち主であり、なおかつ自らをどう魅せるか、という能力に長けていること。

 

圧倒的クリントン支持と言われ、メディア報道でも劣勢だったはずのトランプ氏が、自身へのバッシングを逆手に取り、広告宣伝費がクリントン陣営と比較してかなり安くついたこと、そしてトランプ氏の支持基盤であると言われるアメリカ白人の労働者層へ向けて、皆が思っていても口にできなかったことを代弁という形で発言し、最終的には大方の大きく予想を裏切り、大統領選を勝ち抜いたこと。
これは紛れもなく、自身をどう"魅せるか"といった能力の一面にほかならない。

 

 

(前略)
内容は批判的なものがほとんどだったが、こうしてマスコミに盛んに取り上げられたため、トランプ・タワーは人々の関心を大いに集めることになった。
そしてたちまちアパートの売れ行きが急激に伸びたのだ。
これがいいことだとは決して思わない。
むしろこれは私たちの社会がどこかおかしいことを物語っているのかもしれない。
とは言え、商売人である私は、この経験から一つ学んだ。
すなわち、悪い評判よりは良い評判のほうが好ましいには違いないが、商売をする上から言うと何も言われないより悪く言われたほうがまだましだということだ。
つまり、論争のタネになると売れるのだ。

-トランプ自伝 不動産王にビジネスを学ぶ-

 

 

またトランプ氏は、酒、タバコ、コーヒーを一切口にしないし、カジノホテルを幾つか所有するが自身は一度もギャンブルに興じたことは無い、という一面を持つ。

 

今多くのメディアは彼が独裁者であるようなイメージを意図的に作っている感じがするが、一方で"大統領になってからは自らの知らない分野の意見は積極的に話を聞く"といった情報も流れ、自身も著書で、「何かを決めるときには、必ずいろいろな人の意見を聞くことにしている」と語る。


今日も時事バラエティ番組で、トランプ氏の大統領後の数々の発言が取りざたされ、特にメキシコとの国境の壁建設においてメキシコ大統領エンリケ・ペーニャ・ニエト氏と、バチバチになってやりあっているシーンが良く報道されるが、「トランプ氏の真意は誰にも分からない」と言われるように、今彼がメキシコ大統領とこのようなやりとりをしている点について、その本音と真意は誰にも分からない、分かるはずもない。


外交手腕があるのかといった発言をしたコメンテーターがいたが、少なくとも、トランプ大統領がバカではないことは間違いない。

 


取引で禁物なのは、何が何でもこれを成功させたいという素振りを見せることだ。

(後略)
一番望ましいのは優位に立って取引をすることだ。

この優位性を私はレバレッジと呼ぶ。
レバレッジとは相手が望むものをもつことだ。
もっといいのは、相手が必要とするものをもつこと、そして一番いいのは、相手がこれなしでは困るというものをもつことだ。

(後略)
つまり、この取引は得になる、と相手に思わせるのだ。

 -トランプ自伝 不動産王にビジネスを学ぶ-

 


外交というのは、上半身は笑顔で握手し、下半身は足の蹴り合いといった表現が良くされるくらい、ハードにやりあっているものだというのは想像に難くない。

オバマ前大統領とトランプ大統領にしても、当選前後に各メディアやツイッター等で両氏の批判を行っていたが、実際に目の前にして会談したときは、お互いがお互いをリスペクトしている、といった見事な演出をしてみせた。
国内にしてそうなのだから、他国との交渉においてはもっとハードに交渉するだろう。

 

僕が個人的に、アメリカ大統領の影響力を痛感させられたのは、あれほど、日本国内で取りざたされ、"日本の農業の危機です"(なぜか殆ど議論されないが、グローバル企業を日本国内法で裁けないことや国民皆保険等への影響が大きな問題だったが)と、反対デモの中強行突破させたTPPについて、簡単に離脱したこと。

 

そして日本を代表するトヨタ自動車やその他の多国籍企業も、続々と、トランプ大統領のご機嫌をとるように、アメリカに工場を移す、拠点を変える、といった経営施策転換を行ったこと。

トランプ氏も「大統領就任前から雇用を生み出した」と自身のツイッター等でその実績をアピールしたが、これは結構凄いことだと思う。

 

グローバル化対反グローバルの対立構造と言われ、ヨーロッパがどうなるのかも見ていて面白い時代になったと感じる。
"バカの壁"で有名な養老氏も、「(トランプ氏が当選したことは)非常に良い流れだと思う」と話したし、いずれにしても、彼の手腕はこれから白日のもとにさらされるわけで、今何か批評をするのは早すぎる。

 

そして、批判するのは確かに大事だが、彼に関する本や情報を集めずにコメントするのは、決してフェアじゃない。

日本でトランプ大統領の批判以外の情報を集めようと思ったら、木村太郎氏のニュースやネットでのコメントを読むのが良い。
彼はトランプびいきなところがあるが、いち早くトランプ大統領誕生を予言した人物だ、その視点は侮れない。

 

僕としては、各国首脳と日本政府の出方を上手に判断し、各種情報を客観的にとらえて、今年こそは儲けたい。

 

そして来月2月10日、日米首脳会談が決定というニュースが流れたが、トランプ大統領の日本に対するイメージは以下のようだ。
それが今も変わらなければ。

 


日本人が自国の経済をあれだけ成長させたことは尊敬に値するが、個人的には、彼等は
非常に商売のやりにくい相手だ。
まず第一に、六人や八人、多い時は十二人ものグループでやってくる。
話をまとめるためには全員を説得しなければならない。
二、三人ならともかく、十二人全員を納得させるのは至難の業だ。
その上、日本人はめったに笑顔を見せないし、まじめ一点張りなので取引をしていても楽しくない。
幸い、金はたくさん持っているし、不動産にも興味があるようだ。
ただ残念なのは、日本が何十年もの間、主として利己的な貿易政策でアメリカを圧迫することによって富を蓄えてきた点だ。
アメリカの指導者は日本のこのやり方を十分に理解することも、それにうまく対処することもできずにいる。
-トランプ自伝 不動産王にビジネスを学ぶ-