ちびまるこちゃんのような家族はもうない

ちびまるこちゃんも、もう放送何十周年という長寿アニメ番組になっている。

今現在放送されているものではなくて、1990年代の初期のころを久々に観た。

観たくて観たのではなくて、仕事に疲れて何も考えたくないから、たまたま流したのがその番組だったわけで。

 

 

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僕はちびまるこちゃん世代だから始まりのころから観ているので、登場人物の声がそのままだったりするのが懐かしい。

今のちびまるこちゃんは、おじいちゃんとお姉ちゃんは確実に違っていて、お父さんも違う気がする。

家族六人でこたつに入り、同じテレビを観て、同じ空間で過ごす。

そこには家族の時間がちゃんとあって、親と子の会話もちゃんと存在する。

テレビはおしりが出っ張っている、今はもはや殆ど見かけないタイプだし、電話はスマホはおろか黒電話。
おじいちゃんがこいた屁に、皆が苦笑しつつこたつから出て、「これが我が家です」と紹介される。
何ともほほえましい。
「貧乏だけど幸せ」みたいなセリフがあって、こういう家族は、もう日本にはないんだろうなと思った。

 

 

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僕が小学生の頃はまだ貧乏子だくさんの家族が結構いて、電話も携帯電話が持ち運びタイプの何やらおかしな持ち物だったから、ちびまるこちゃんの内容も違和感なく受け入れることが出来たけど、今の時代にあのようなシーンは、もうさすがにそぐわない。

 

ちびまるこちゃんも時代とともに登場人物をたくさん投入し、家族内部だけの物語ではなくて外部要因も多々盛り込んだ内容に現在はなっているが、基本ベースは家族があって、と、それは作り手の意向なのだろうが、当時ままにしているところが多い。

 

だが、今の日本では家族でご飯を食べることはあるのだろうか。

 

外食すると、僕は知人や親族となるべく会話をしながら食事をするのだが、他の家族を見渡すと食べながらスマホをいじったり、もしかするとスマホで会話しているのかもしれないけどあまり実際には話さない。

 

家と外は同じことをするから、家でも同じだろう。

一緒に食事をすることは無く、食事は各々の部屋で各自とり、電話は黒電話ではなくて
それぞれがスマホを持っているから親は子供が誰とどんな会話をしているのか分からず
お互いが目の届かない存在になっている。

 

ある程度のことが分かるような年齢になると、子供はちびまるこちゃんを観て
「昔の日本の家族ってこうだったんだー」と思うのだろう、もう思っているのかもしれない。

僕もそうだったから。

 

これからは日本の失われてしまった場面の一つ一つを、テレビで確認する時代になる。