日本が嫌になって中国へ旅立った友人

僕の友人で中国で日本語教師をしている者がいる。

彼はいわゆる高学歴で、中学時代から過酷な受験戦争を勝ち抜いてきた。

 

芸術肌の風変わりな彼は、大学卒業後クリエイティブな道へ進むかと思ったが

なぜか東京の築地市場で朝から男衆に交じって働き始め、それでも、常日頃から感じていた

"日本で生きることの息苦しさ"にとうとう嫌気がさして、知人の紹介で中国へ旅立ってしまった。

仕事は日本語教師、頭がいいとはいえ中国語なんてできないし、ロクに勉強もせずに行ってしまい、「日本語教師なのだから日本語さえ話せれば問題ない」ということで、こちらの懸念をよそに、中国で新しい人生をスタートし、現地での生活はもうすでに5年以上になる。

 

水道光熱費と、住居費はタダで、日本へ帰国する時の旅費も出るようだ。

給料は月給でおよそ5,000元程度(今のレート換算だと85000円くらい)と聞いたことがあるが、詳しくは分からない。

給与は日本と比較して高くないのは間違いないが、授業は午前中で終わり、1年の半分近くが休みになるカリキュラムとのことで、「仙人のような生活だよ」と苦笑交じりに話していた。

とはいえ、うら若き女学生に囲まれ、毎日をゆるやかに過ごしている友人からは

以前のような悲壮感や焦燥感は感じられない。

 

 

 

日本に住む人が生きづらさを感じて自ら命を絶ってしまったりするケースが最近多いように感じる。

若い人間に多い傾向だと感じる。

我慢して生きるか、しぬか、のような二択しかないように思われるが、広く視野を持てばそれ以外に選択肢はあるということを、友人は教えてくれる。

彼のこれからの動向に注目したい。